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概要

千葉医学について

千葉医学

千葉医学

千葉医学(CHIBA MEDICINE)は、明治7年(1874年)に千葉大学医学部のルーツである共立病院が地域住民等の醵金により建てられて以来135年以上に及ぶ本学の伝統と達成された成果を包括する概念です。ゐのはな同窓会135周年記念事業の一環として下記のアイデンティティーと共に提言され、2011年3月の医学部教授会に報告・承認されました。この伝統と成果は医学部大学院附属病院、関連の地域中核病院、更に千葉医学会ゐのはな同窓会等に継承され、千葉医学はこれらの組織、団体を包含します。

*千葉医学は「千葉大学医学部八十五年史」にある元国立千葉病院長の鈴木五郎(1898-1990)の文章、「大学病院が医育機関として草創以来80有余年の長きにわたり、間断することなくその使命を果たしてきた一筋には、何等の変動もない所に千葉医学の伝統が流れる」に由来します。

千葉医学のアイデンティティー

千葉医学のアイデンティティーとして、ゐのはな同窓会135周年記念事業(千葉医学の伝統言語化プロジェクト)において、視覚的アイデンティティー(ロゴマーク)および言語的アイデンティティーが以下のように提案されました。

視覚的アイデンティティー(ロゴマーク)

ロゴマークのダウンロードはこちらから
(千葉大学医学部関係者は誰でも利用可)

獅胆鷹目行以女手(したんようもくおこなうにじょしゅをもってす)は、千葉大学医学部の外科学の祖とされる三輪徳寛(1859-1933)*が、医員ならびに学生の教訓となるべき格言として残した言葉で、外科医の心得として以下のような意味とされています。本学では、多くの学生、医師がこの格言を支えに修練を積み、秀でた外科医となってきました。

「獅子のように細心にして大胆且つ動じない胆力、鷹のように諸事を見通し、判断、解決できる眼力、女手のように臓器を柔らかく扱い緻密に行える手技」

ロゴマークの獅子、鷹は上記の言葉を表していますが、手に関しては、女性の手とは限定せず、両手で臓器を大事に扱い、緻密に手技を行える人間の手を意味しています。中心のハートは胆力、眼力、臓器を意味すると共に、患者中心の医療を実践できる共感、利他、責任感などプロフェッションとしての心を意味し、千葉医学が目標とする医師像を示しています。

*「獅胆鷹目 行以女手」の由来は三輪コ寛の残した文書によると(註1)、ドイツ語の”Ein Doktor muss ein Falkenauge, ein Jungfernhand und ein Lowenherz haben.”(医師は鷹の目,娘の手,ライオンの心を持つべし。)、さらにそのオランダ語の原典であろうとされています(註2)。これがシーボルトにより日本に伝えられ、漢文に堪能な弟子等により「獅胆鷹目 行以女手」の名訳が生まれたのではないかと推察されています。同様の言い伝えは 古く16世紀イギリスの外科医John Halle(1529-1568)の次の言葉(註3)に見られます。“A surgeon should have ... three diverse properties in his person, that is to say, a heart as the heart of a lion, his eyes like the eyes of a hawk, and his hands as the hands of a woman.” いずれにしても古くから同様の言い伝えが広くヨーロッパに流布していたものと思われます。

言語的アイデンティティー

  1. 人間の尊厳

    人間の尊厳
    山浦 晶元病院長が中心となって作成した大学病院の基本理念、「人間の尊厳と先進医療の調和を目指し、臨床医学の発展と次世代を担う医療人の育成に努める」は、既に広く認められています。この基本理念に由来した「人間の尊厳」を、以下の如く千葉医学の言語的アイデンティティーとしました。

    人間の尊厳と先進医療の調和をめざし、次世代に伝える
    Harmony of Humanity and Advanced Medicine

  2. begin.continue

    begin.continue
    旧第二外科教授の中山恒明(1910-2005)の言葉として「まず始めること、始めたら止めないこと」があります。これは診療、教育、研究のいずれにも共通して、イノベーションを興し、それをやり遂げるという意志が込められています。135年の千葉大学医学部の歴史の中で達成された多くの先達の業績の底流には、「誰よりも先んじて始め、始めたら諦めない、最後までやり抜く」共通の姿勢を見ることができます。中山恒明の残した言葉ですが、千葉大学医学部の伝統として潜在的に受け継がれてきた行動指針を彼が言語化して後世に伝えてくれたと考えることもできます。

    世界の外科医の殿堂であるシカゴの国際外科ミュージアムに中山恒明の業績が展示され、「まず始めること」が以下のような英文として掲示されています。
    Beginning is half the success, not giving up on the way is complete success. 「まず始めること」をこの英文に置き換え、更にbegin.continueの二つの単語に要約しました(.は2つの言葉を結ぶ連結記号)。千葉医学で学び、修練し、研究する学生、医師達の行動指針として「誰よりも先んじて始め、始めたら諦めない、最後までやり抜く」という意志を込めたbegin.continueを、継承してくれた先達への感謝と共に現在、未来を担う若人へ捧げたい。
    (敬称略)

「千葉医学の伝統」言語化プロジェクトの紹介

千葉医学の紹介サイトへ

註:

(1)三輪コ寛 『「獅膽鷹目行以女手」ニ就イテ』千葉醫學會雜誌 5 (10), pp.1469-1471,1927 (http://jairo.nii.ac.jp/0007/00022115)

(2)http://www.zeno.org/Wander-1867/A/Doctorの第19項目:Karl Friedrich Wilhelm Wander (1803-1879) Deutsches Sprichworter-Lexikonに収載された“Een valken-oog, een leeuwenhart en eene jufferhand is den medecinmeester noodig.” (Harrebomee, II, 357.) 年代から考えて、註1の文献の中で、三輪コ寛がドイツで買い求めたとある本はこれであると思われる。

(3)http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1442-2034.2000.00029.x/pdf