1. 論理的創薬システム: 特願2007-59268, PCT/JP2005/004150, PCT/JP2005/002055
「論理的創薬システム」は,標的タンパク質の立体構造に基づいて機能制御ペプチドを設計するために,当研究室において開発しました.このシステムは,これまで盲滅法に行われていた感があるファージディスプレイ等のコンビナトリアル・バイオ・エンジニアリング技術が抱える問題点(細胞毒性,ライブラリーサイズの制限,煩雑で熟練を要する実験操作)を in silico 分子進化法の活用によって克服し,論理的な創薬開発を可能にするものです.今後,「論理的創薬システム」の独創性と有用性を実証し,新たな創薬開発方法を確立したいと思っています.


2. 生物製剤:特願2003-310601, PCT/JP2004/013090
IL-10活性阻害能を有する生物製剤は,トーマスジェファーソン大学・佐藤隆美教授(米国フィラデルフィア市)との共同研究に於いて,悪性黒色腫患者の細胞を用いて評価したところ画期的な効果が見られ,米国癌学会で報告すると共に特許申請(特願2003-310601,PCT/JP2004/013090)と論文報告(Cancer Immunol Immunother. 2009 Aug;58(8):1307-17.)を行いました.今後は,米国国立衛生研究所への前臨床試験「Interleukin 10 as a Target for Anti-Cancer Immunology」の申請等の創薬に向けた準備を進める予定です


3. ペプチド分子標的薬:特許第4560612号
鎌形赤血球貧血症治療用のペプチド分子標的薬は,フィラデルフィア子供病院の足立一彦教授(米国フィラデルフィア市)との共同研究に於いて,HbSの多量体化を阻害する効果を見出し,米国化学会で報告すると共にその成果を論文(Biochemistry 45, 8358-8367, 2006.)に報告しました. また,デコリン様のペプチド分子標的薬は,千葉大学・遺伝子生化学教室の瀧口正樹教授との共同研究に於いて,デコリンのN末端とC末端に存在する特徴的な立体構造が,細胞の種類に応じて増殖促進作用と増殖抑制作用の両面性の機能を発揮する事を見出し,日本癌学会で報告すると共に特許(特許第4560612号)を取得しました.また,千葉大学・整形外科学教室・高橋和久教授(山内友規先生)との共同研究に於いては,脊髄損傷患者の機能回復を示唆する知見が得られ,現在,論文での報告を準備中です.


4. 近赤外蛍光色素結合型脂質:特願2010-124252
「近赤外蛍光色素結合型脂質」は,千葉大学・フロンティアメディカル工学研究開発センター・林秀樹教授,東京大学・豊田太郎先生,山田化学工業・真殿智行氏との共同研究に於いて,「センチネルリンパ節診断法」である「色素法」と「放射性同位体法」が抱えている問題点である,1」 分子の大きさ,2」 分子の色,3」 shine though現象,4」 特殊な設備環境を克服するために,リポタンパク質との複合体形成やリポソームへの配合によって近赤外蛍光を発することが報告されている「インドシアニングリーン」をベースにして開発しました.さらに,生体イメージング用の「近赤外蛍光色素結合型脂質融合リポソーム」の調整法を確立しました.今後,分光学的実験・動物実験・治験を積み重ねることにより,「簡便・迅速・的確」な「センチネルリンパ節診断法」を確立し,早急な臨床応用を実現したいと思っています.
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