小児がんとは
 

小児がんは、一般に15歳未満のこどもに発生する悪性腫瘍を指し、日本では事故に次いで子どもの死因の第二位となっています。その中でもお腹や胸の交感神経節や副腎にある神経細胞から発生するがんである神経芽腫は最も治りにくく、患者の生存率が40%未満とされています。神経芽腫は、すでに進行した状態で発見される場合が全体の3分の2を占めているため、先進国では70%以上の小児がん患者が助かるようになった最近でも依然として多くの子どもを苦しめており、この治癒率を上げることが世界中の医師や研究者にとって重要な課題となっています。

このプロジェクトは、長年に渡り神経芽腫の研究に取り組んでいる中川原 章(千葉県がんセンター長)が、田村 裕(千葉大学大学院医学研究院)・星野忠次(千葉大学大学院薬学研究院)と連携し、IBM社が推進する「World Community Grid」を活用したコンピュータ・シミュレーションを用いて、神経芽腫の新しい治療薬の開発を目指しています。具体的には、がん細胞の増殖を助けるたんぱく質分子であるTrkB受容体、ALK受容体とその下流シグナル分子SCxx等(計6つの標的)に対し、その機能を阻害することが可能な新規薬剤候補物質を、約300万の低分子化合物ライブラリーからコンピュータ・シミュレーションによって同定し、さらに、細胞実験・動物実験・臨床試験を経て、新薬の創製へと発展させていきます。