研究 

現在,病態病理学では,消化器系腫瘍に関する研究を行っています.今後の治療に役立てることを目的に,千葉大学医学部附属病院病理診断科・病理部で診断された消化器系腫瘍性疾患の診療情報などを利用させて頂きますが、患者様の名前や住所などの個人情報を利用することは一切ありません。
診療情報などがこの研究で何のために,どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は,下記の窓口にご連絡ください。

研究課題名 「 浸潤性膵癌の組織形態像に基づく亜型分類の確立 」

(1)研究の意義・目的 

 膵臓の浸潤癌は,多彩な組織形態をとりうる疾患です.また,近年では分子・遺伝子学的検討をもとにした膵臓癌の分類の報告も見受けられます.今回の研究では,個々の組織形態ごとに膵臓の浸潤癌症例を分類・整理し,各々の群における背景膵の組織像や分子・遺伝子学的特徴,臨床病理学的特徴,予後について検討します.これらの分類の有用性が確立されれば,病気の成り立ちに迫ることができるとともに,実際の臨床現場において膵臓癌の簡便な分類方法となり,膵癌の診療・研究における有用な基盤となります.

(2)研究の方法  

本研究では、浸潤性膵癌について,顕微鏡を用いた形態の観察や遺伝子,患者さんの臨床背景,予後の観点から解析を行ない,その病理学的特徴について調べています.

(3)個人情報の取り扱いについて

本研究で得られた個人情報は,匿名化して管理し外部に洩れることのないように厳重に管理します.研究成果の発表にあたっては,患者さんの氏名などは一切公表しないこととします.データ等は,千葉大学大学院医学研究院病態病理学内の研究室の鍵のかかる保管庫で保管します.


研究課題名 「 大腸癌浸潤部における形質変化の臨床病理学的意義

(1)研究の意義・目的 「大腸癌についての解析を行い、その形質変化および臨床病理学的特徴について検討し、大腸癌の進行メカニズムを明らかにすることを目的としています。日本人での大腸癌の罹患率は比較的高く、2018年度の日本国立がん研究センターの発表したがん統計によれば、臓器別の死亡数で大腸癌は男性で3位、女性で1位、男女計で2位となっています。大腸癌の発生や進行の仕組みの解明は、喫緊の課題であり、既に様々な研究が行われていますが、まだわかっていない点も多くあります。大腸癌の病理学的な特徴と臨床的な予後因子(肝臓など他の臓器への転移やリンパ節転移)との関連を調べることは、大腸癌の進行のメカニズムの解明に役立つことが予想されます。また、ある特定の因子の発現とこれらの予後不良因子との間に関連が見られた場合は、新たなバイオマーカーが開発される可能性もあります。

(2)研究の方法  

すでに外科的に切除された大腸組織標本を研究のために利用します。また、癌の再発や転移などの臨床病理学的因子の検討のため、対象例の診療録に記載されている臨床情報を使用します。

(3)個人情報の取り扱いについて

本研究で得られた個人情報は、匿名化して管理し外部に洩れることのないように厳重に管理します。研究成果の発表にあたっては、患者さんの氏名などは一切公表しないこととします。データ等は、千葉大学大学院医学研究院病態病理学研究室の鍵のかかる保管庫で保管します。



研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について

ご協力頂けない場合には、原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので、下記の窓口にご遠慮なくお申し出ください。

文部科学省・厚生労働省による「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています。

研究実施機関  :千葉大学大学院医学研究院病態病理学

本件のお問合せ先:千葉大学大学院医学研究院病態病理学

         准教授 岸本 充

         043(222)7171 内線 5180