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はじめに
 当科では、難治性の末梢性動脈疾患に対する再生医療(血管新生療法)を行っています。ここではその詳細をご紹介いたします。スライドによる説明もご参照下さい。

難治性末梢性動脈疾患
閉塞性動脈硬化症やバージャー病(ビュルガー病)などのために下肢の動脈がつまると、血行障害を生じ、冷感や歩行中の痛みなどの症状が出現します。これを「虚血」といいます。そして病状が進行すると、歩かずとも痛みがみられるようになり、やがて皮膚潰瘍や壊疽が出現することもあります。これらの症状をお持ちの患者様には、これまで禁煙・薬物療法や経皮的血管形成術・バイパス術、交感神経節切除術などが行われてきました。しかし、より重症となってしまった患者様では充分な効果が得られず、患肢切断を強いられてしまうことがあります。これら既存の治療法では歯が立たない場合の切り札として近年脚光を浴びているのが血管新生療法です。
血管新生療法とは
人のからだには元来、虚血が生じた場所に新たな血管をつくり、血液不足を解消する仕組みが備わっています。その主役を担っていると考えられているのは血管内皮前駆細胞と呼ばれる細胞で、普段は骨髄の中に存在していますが、からだの中で虚血が生ずると血液を伝わって移動し、周囲の細胞と協力して新しい血管となります。しかし虚血の程度が強すぎるとその働きも不充分となり、先に述べたような症状が出てくるのです。
そこで、この血管内皮前駆細胞を大量に集めて虚血部位に直接注入すれば、自己再生能力が増幅され虚血が改善するのではないかと考えられました。これが血管新生療法です。当科ではすでに動物実験でその効果と安全性を確認し、本学倫理委員会の承認を得て臨床応用を開始しております。
当院での治療の実際
実際には、まず患者様ご自身の血液から血管新生に効果がある細胞群をとりだします。そのため、約4時間かけて成分採血を行います。次にこれを、虚血をおこしている脚の筋肉に注射します。すると多くの場合治療後1〜3週間で血流増加がはじまり症状や皮膚病変に改善がみられるようになります。これまで30名以上の患者様が本治療をお受けになり、約60-70%の方々に効果を認めております。またからだに対する負担はほとんどなく、これまで大きな合併症は認めておりません。
本治療はまだ臨床研究段階ですが、ごらんのように良好な効果が得られており、今後はより多くの患者様にその利益を受けていただけるよう治療の最適化を進めてまいります。

(注) 本治療は新しい血管をつくる治療であり、また臨床研究段階であるため、残念ながら血管が増えることが危険である病態(悪性腫瘍や糖尿病性網膜症など)をお持ちの方は適応外とさせていただいております。また、手術など既存の治療法が適応となる場合には本治療法の効果がほとんどないことが明らかとなっておりますので、まずはそちらを受けていただいております。ご了承下さい。

末梢血単核球移植による血管再生治療のお問い合わせについて
血管再生治療をご希望なさる場合は、まず、かかりつけ医を受診して頂くようお願い致します。そのうえで、下記いずれかの方法によってご病状をお知らせください。できる限り早急に対応致します: 

1.かかりつけ医から担当医宛に、資料を郵送して頂く 

2.かかりつけ医から担当医宛に、電子メールにてご連絡頂く 

3.かかりつけ医ご発行の診療情報提供書をご持参のうえ、ご本人が担当医を受診

問い合わせ先 千葉大学医学部附属病院循環器内科

 南野  徹  毎週水曜日    外来

(e-mail)  t_minamino@yahoo.co.jp

 舘野  馨  毎週火・金曜日 外来 

(e-mail)  tateno.kaoru@gmail.com 

TEL:043-222-7171 内線 6146

外来受付は8:30-10:30となっております。なお大変申し訳ありませんが、緊急の場合を除き、患者様からのお電話によるお問い合わせはできるだけご遠慮ください。