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死亡:冠動脈造影を受けられる患者さんの中には心臓の状態が非常に重篤なことがあり、死亡例も報告されています。一般的に0.02%未満の頻度(5,000人に1人未満)と報告されています。ただし、千葉大学医学部附属病院では約20年間冠動脈造影を行っていますが、冠動脈造影または左室造影により死亡された患者さんはいません。 |
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心筋梗塞の発生:冠動脈が閉塞して、心筋梗塞となることがあります。心筋梗塞となると最悪の場合、死に至ることもあります。心筋梗塞を発症した場合には、緊急で経皮的冠動脈形成術または冠動脈バイパス術を受けていただくこともあります。 |
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緊急冠動脈バイパス手術:冠動脈造影に伴う冠動脈の損傷のために冠動脈バイパス術を受けていただくことがあります。この場合は輸血が必要になることもあります。 |
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緊急経皮的冠動脈形成術:冠動脈造影に伴う冠動脈の損傷のために経皮的冠動脈形成術を受けていただくことがあります。 |
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塞栓症:動脈硬化は若い頃から徐々に進行し、ある程度の年齢となったときに病気として現れてきます。このために冠動脈に動脈硬化が疑われる患者様では、他の部位にも動脈硬化があり、冠動脈造影または左室造影を行うためにカテーテルを挿入していく過程でカテーテルが通過する部位の動脈にある動脈硬化のプラークがはがれて、血流に乗って他の臓器の血管をつまらせることがあります(それぞれの臓器に障害を与えます)。例えば、脳の動脈に起これば、脳塞栓症を発症し、麻痺が起こることがあります。また、特殊な塞栓症としてコレステロール塞栓症があります。これはコレステロールを多く含む動脈硬化のプラークが特に腎動脈や下肢の血管に塞栓症を起こし、検査より数日後に腎機能不全や下肢─特に足の指先に血流障害を引き起こすことがあります。そけい部からカテーテル検査を行い、検査後の臥床により下肢静脈に血の塊(血栓)を生じ、肺の血管に塞栓症(肺血栓塞栓症)を起こすこともあります。また、カテーテル内に少量の空気が混入することによる空気塞栓症が起こることもあります。 |
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血栓症:検査中はヘパリンという薬を用いて血の塊(血栓)ができないように予防しますが、まれに血栓ができて冠動脈を含めた動脈を閉塞して臓器の障害を引き起こすことがあります。これに対して、特殊なカテーテルを用いて血栓の吸引を行うこともあります。 |
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出血性合併症:冠動脈造影ならびに左室造影は動脈にカテーテルを入れます。動脈は圧力が高いので、出血が起こり得ます。検査中はヘパリンという薬を用いて血の塊(血栓)ができないように予防します。また、冠動脈造影を受ける患者様ではアスピリンなどの抗血小板薬を内服されている方も多く、これらの影響で出血性合併症が起こりやすくなります。出血性合併症は動脈穿刺部位(シース挿入部位)以外、カテーテルが通過する部位で起こることもあります。重篤な出血性合併症が発生した場合は止血のための手術や輸血を受けていただくこともあります。穿刺部の出血(血腫)により周りの組織を圧迫して悪影響をきたすことがあります。また、出血に対して輸血が必要となることもあります。 |
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心房・心室穿孔:ガイドワイヤーまたはカテーテルにより心臓に穴が開き、心臓の周りをつつむ心膜に血液が溜まり、これにより心臓から十分血液が拍出できない状態(心タンポナーデ)となることがあります。この場合は心膜の中(心嚢)に針を刺し、特殊なカテーテルを挿入し、血液を排出しなくてはなりません。これを行った後にも血液が再び溜まってくるならば開胸して穴をふさぐ手術をすることもあります。 |
| 9) |
造影剤による合併症:造影剤も改良が重ねられ、合併症発生の頻度が減少しましたが、アレルギー反応や腎機能障害を引き起こすことがあります。アレルギー反応としては、皮膚の発疹、吐き気などから、アナフィラキシーと呼ばれる血圧低下や声門浮腫(のどにむくみが起こり呼吸困難となる状態)などが起こる重篤なものまであります。また、造影剤による一過性のせん妄状態(軽度や中等度の意識障害に、幻覚・錯覚や異常な行動を呈する状態)が起こることがあります。 |
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動脈解離または穿孔:ガイドワイヤーまたはカテーテルにより動脈の損傷を起こし、動脈に解離と呼ばれる亀裂ができ動脈が2層に裂けること(動脈解離)または動脈に穴が開くこと(動脈穿孔)があり、時に手術による修復が必要となることがあります。 |
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動静脈瘻:カテーテル挿入部の動脈と静脈に交通ができることがあります。これが動静脈瘻で、手術による修復術が必要となることもあります。 |
| 12) |
穿刺部における仮性動脈瘤:動脈を穿刺した部位に動脈瘤が形成されることがあります。お腹の動脈にできる動脈瘤と比べて、破裂するリスクは大きくないとされていますが、これより末梢の動脈に塞栓症を起こすことや動脈瘤の周りの組織を圧迫し悪影響をきたすことがあります。まれに手術による修復が必要とされることもあります。 |
| 13) |
穿刺部周辺の神経損傷:動脈を穿刺するときに血管と併走している神経を穿刺針にて損傷することがあります。また、穿刺部における出血または穿刺部の止血を目的とした圧迫により神経の圧迫損傷が起こることがあります。 |
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不整脈:カテーテルが心臓の壁に当たることやアセチルコリン負荷に伴い不整脈が発生することがあります。また、カテーテルによる冠動脈損傷による心筋虚血(心臓に十分な酸素・栄養が行かない状態)や造影剤による化学的な刺激などにより重篤な不整脈が起こることもあります。これらに対して、抗不整脈薬が使用されることがあります。また、重篤な不整脈では電気ショックにより不整脈の治療が行われることもあります。 |
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感染症または発熱:カテーテルを始め検査に使用する機器は滅菌と呼ばれる細菌が存在しない状態にしてあります。また、カテーテル挿入部位は消毒を行ってから手技を行いますが、まれに細菌による感染症または発熱が発生することがあります。 |
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心不全:心機能が低下した患者様では、造影剤を使用することが心臓の負担になり、心不全となることもあります。 |
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カテーテルによる冠攣縮の誘発:冠攣縮が原因の狭心症で“ない”患者様においてもカテーテルの先端が冠動脈を刺激することで冠攣縮が誘発されることがあります(胸痛、心電図変化をともなうこともあります)。ほとんどの冠攣縮はニトログリセリンの投与とカテーテルを抜去することで解除されます。 |
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気胸:アセチルコリン負荷を行うために頸部または鎖骨の下の静脈より一時的なペースメーカーを入れるために静脈の穿刺を行う時に肺の周りの胸腔内に空気が入り、気胸(肺の周りの空気により肺が圧縮され、気胸となった肺の部位における酸素の取り込みが十分にできなくなる状態)となることがあります。これに対して、特殊な管を用いて肺の周りの空気を取り除くこともあります。 |
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僧帽弁逆流症:左室造影時に左室と左房の間の弁(僧帽弁)と左室とを結ぶ腱索に損傷を起こし、僧帽弁逆流症が発生することがあり、きわめて希ですが僧帽弁に対して手術が行われることも報告されています。 |
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カテーテルの体内残存:血管の蛇行などにより、カテーテルの操作性が不良であるときなどにカテーテル手技に伴いカテーテルの一部が分離してしまうことやカテーテルの一部に結節(結び目)ができ、カテーテルの一部が体内から取り出せないこともあり得ますが、カテーテルの材質が改良された現在では希です。 |
| 21) |
放射線による障害:カテーテル検査に伴う放射線による障害として報告されているものは皮膚障害です。ただし、これは経皮的冠動脈形成術時の報告がほとんどであり、冠動脈造影や左室造影などではきわめて希です。 |
| 22) |
その他:その他不測の合併症が起こることがあります。 |