千葉大学大学院医学研究院 心臓血管外科学 | 千葉大学病院 心臓血管外科

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先天性心疾患

 生まれつき持っている心臓または大血管の構造の異常を先天性心疾患といいます。新生児の約0.3%にみられるといわれています。しかしながらひとくちに先天性心疾患といっても、さまざまな病気があり、教科書にのっている病名だけでも百種類以上あります。疾患の重症度や、症状出現の時期、症状の現れ方などがそれぞれに異なります。最重症の赤ちゃんは心疾患のためにおかあさんのおなかの中で生き続けられない場合や、生まれてすぐに手術をしないと助からないこともあります。一方先天性心疾患があっても血液の循環にはあまり影響がなく、一生さしたる治療の必要がない場合、あるいは成人期以降に症状が出現して病気がみつかり治療の対象となったりする場合もあります。また、たとえ同じ病名の患者さんであっても、病気の重症度がいろいろで、治療の要否、治療の時期も違ってきます。たとえば心臓の壁に孔があいている心室中隔欠損という病気でも、孔のあいている大きさや場所により全く状態が異なります。孔が大きいほど血流への影響も大きく早い時期での手術が必要になったり、あるいは孔の場所によっては成長に伴って手術しなくても自然に閉鎖してしまうことが期待できる場合があったりします。そのため個々の患者さんの状態に応じて治療の必要性や治療の時期を的確に判断していく必要があります。
当科では小児科循環器診療グループと密接な連携をとりながら、最適な時期に最善の治療を行うよう心がけています。

主な先天性心疾患

心房中隔欠損、部分型心内膜床欠損

 心臓の中の左心房と右心房という部屋の間にある心房中隔とよばれる筋肉の壁に孔があいている病気です。おおくの場合は成人期に達するまで自覚症状が現れません。健康診断での、心雑音、レントゲン写真・心電図の異常からみつかることも少なくありません。心臓超音波検査のみで診断できますが、治療の時期・方法や治療の必要性の有無を判断するために心臓カテーテル検査をおこなう場合があります。心房中隔欠損は、今日多くの場合切らずに直すカテーテル治療が可能ですが、孔のあいている場所や大きさ、合併する疾患によっては手術が必要となります。体重10kg以上であれば多くの場合無輸血手術が可能です。また傷をなるべく小さくして行う小切開手術の対象にもなります。成人の方はしばしば心房細動、三尖弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全といった続発症を伴う場合があり、手術に際してはそれらに対する外科治療も併せて行います。

心室中隔欠損、完全型心内膜床欠損

 左心室と右心室を隔てる心室中隔という筋肉の壁に孔があいている病気です。孔のあいている場所、孔の大きさにより治療の要否、治療の時期が異なります。心内膜床欠損の場合は心室の入り口の弁の異常を伴います。孔を通る血流が多いと、左心室から右心室へと孔を通った血流はすべて肺動脈へと流れるため、肺動脈の血圧があがる肺高血圧を来したり、心臓は常に余分な血流を送り出さなければならないため負担がかかり心不全を来します。赤ちゃんの心不全の症状としてはミルクののみが悪く体重が増えなかったり、呼吸がはやく、風邪をひきやすかったりします。心不全症状が強い場合は乳児期に手術を考慮する必要があります。利尿剤、強心剤などの飲み薬で症状が改善すれば手術時期を遅らせることができますが、肺高血圧が進行すると、肺動脈の血管が目詰まりして孔を閉じても肺高血圧が残ってしまうことがあるため注意が必要です。手術後は体重増加もよくなり長期的には正常児と変わらない成長発育が見込まれます。一方手術せずに幼児、学童期に達した患者さんでも、肺への血流が多く将来的な影響が懸念される場合や、孔が心臓の出口近くに開いていて大動脈弁の変形を来している場合などは、手術が必要となります。体重10kg以上あれば安全に無輸血手術が可能となります。また傷をなるべく小さくして行う小切開手術の対象にもなります。学童期のお子様でしたら、なるべく学校生活に差し支えないよう夏休み、春休みなどの時期に手術を予定します。

動脈管開存

 動脈管は大動脈と肺動脈の間をつなぐ血管で、だれでもお母さんのおなかの中にいるとき(胎児期)はあいています。通常は生後2週間以内に自然に閉じるのですが、これが閉じずに開いたまま残るのが動脈管開存症です。出生体重が少ない赤ちゃんにおこりやすく、動脈管を通る血流が多いと、大動脈から肺動脈へ血液が流れて心臓に負担がかかり、体重が増えません。その場合は動脈管を閉鎖する治療が必要になります。

ファロ-四徴

 心室中隔に孔があいていて、肺動脈や肺動脈弁が狭いために、唇や爪の色が悪くなるチアノーゼを来す病気です。外科治療が必要となりますが、心臓手術を行った後はほぼ通常の日常生活、学校生活を送ることが可能になります。ファロ-四徴の中でも、チアノーゼの程度や、いきんで肺に血が流れなくなってしまう無酸素発作といった症状の出方に差があり、個々の患者さんの状態に応じて手術の時期を決定します。

大動脈縮窄、総肺静脈還流異常、完全大血管転位などの複雑心疾患

 いずれも心不全、チアノーゼなどのため、新生児期あるいは乳児期早期に手術が必要となる疾患です。これらの疾患もたとえ病名が同じでも病気の状態は個々に異なり正確な診断が必要ですが、最近では心臓超音波検査、心臓CT検査の進歩により、赤ちゃんの負担となる心臓カテーテル検査を行わずに手術を行えるようになってきています。

 その他個々の疾患については担当医師が詳しく説明いたします。

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