論文出筆/学会報告に際して

論文責任者について

臨床皮膚科62巻13号の「あとがき」に,掲載論文の1ページ目の最下段に記載される「連絡先」が「論文責任者(Corresponding author)」へと変更されるとアナウンスされています。それまで連絡先の多くは筆頭著者が兼ねているものが多かったものの,実際に掲載された症例に関して連絡をとろうと思っても,既にその施設にはいなくなっており連絡が取れないことも少なくなかったことを背景として,今回の改訂に至ったと説明されています。

 論文責任者は誰がなるべきか? 論文責任者とは,基本的に論文の掲載内容,症例に関して責任を持つ著者です。このため,筆頭著者が十分にその責務を果たすのであれば,従来通り筆頭著者が兼ねても良いと,臨床皮膚科62巻13号の「あとがき」にも述べられています。

 千葉大学皮膚科から投稿される日本語論文(症例報告)に関しては,当面は原則として,従来どおり筆頭著者が論文責任者を兼ねるものとします。これは,一人の医師として,論文に記載した内容,そしてその症例に関して,責任を持ってほしいと思うからです。

 この決定に伴い,転勤・移動に際して必ず連絡先を医局に連絡するのはもちろんのこと,他人から与えられた症例を発表するのではなく,自らが診療に携わった症例を報告することを課したいと思います。


学会報告に際して

発表時間(制限時間)を遵守!

どんなに素晴らしい内容であっても,与えられた時間を超過した時点で,その発表内容を評価する対象にはならないことを理解するべきです。例えば,研究発表に際して寝る間を惜しんで出したデータを全て提示したい,症例報告であっても論文を漁り時間をかけてまとめたデータを全て紹介したいという要求は理解できます。しかしそれをぐっと我慢して,時には涙を流しながらデータを削り,必要最低限へと(最近の学会では,制限時間に納めるために必要と思えるスライドすら削除しなくてはならないこともありますが‥‥)推敲する過程こそ,本当に伝えたいことは何なのかを見つめ直し,本質を見抜くトレーニングになっていると思うからです。

 プレゼンテーションと言えば,AppleのJobsの「魔法のようなプレゼン」を支える秘訣10ヵ条が有名です。ここで紹介される極意の全てが,例えば5分間しか与えられない症例報告に当てはまるとは思えませんが,「リハーサル、リハーサル、リハーサル」が,いかなるプレゼンにも当てはまることに異を唱える方はおられないと思います。そして,一度でもリハーサルをしてみれば,そのプレゼンが与えられた時間を大幅に超過することを見逃す事は無いはずです。

 持ち時間を大幅に超過した発表には,会の進行上,ディスカッションの時間は与えられません。この結果,批評・批判を受ける機会もない訳ですが,これを自分の主張が受け入れられたものと勘違いしてはいけません。自分の発表に対して周りから正当な評価を受けることが,科学への貢献に最も大切であることを忘れずに,その貴重な機会を自らの我が侭で失うことのないようにしましょう。

原稿はきちんと覚える

症例報告の原稿を覚えることは無駄な努力だと思う方もいるかもしれませんが,しかし発表のために与えられた時間,聴衆はあなたの発表を聞くためにじっとしてくれている訳です。その見返りに応えるだけの努力は惜しむべきではないと思います。

 そして,スライドに映し出された現症をきちんと表現する,組織を説明する,鑑別疾患のポイントを挙げる,これらは日々の診療に必ず生かされると思うのです。

他人の発表をきちんと評価する

短い発表時間のためにどのような努力をしたかを類推し評価できずに,自身の発表に自己満足しているのだとすれば,おそらくは日々の診療レベルも推して知るべし,と思います。

 最も畏れるべきは,何も評価をしてもらえず無視されることなのです。発表者の努力に報いるために,会場では積極的に質問をしましょう。しかし,会場でいきなり立ち上がって質問をするのはちょっとと思うあなたは,まずは学会の2週間前に行われるべき予行演習の際に質問をするところから,はじめてみましょうか?

 

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