皮膚科での充実した研修

はじめまして。 私たちは,2006年度に千葉大学医学部を卒業し,現在後期研修医として大学病院で研修しております 秋田文(あきたふみ)と 木村亜矢子(きむらあやこ)です。 皆さんは皮膚科というとどういったイメージをお持ちでしょうか。

千葉県では皮膚科医が不足しており,私達の所には千葉県内の皮膚疾患のほとんどが集まってきます。大都市では経験できない様な貴重な症例に出会えるチャンスが千葉大にはあります。是非,千葉大皮膚科に興味を示していただければ嬉しいなと思い,普段どんな研修をしているのかを簡単に紹介させて頂きます。

 皮膚科では他の診療科と異なり,研修医でも外来診療と病棟診療の両方に参加します。新患患者さんの予診をとり,自分なりに鑑別診断を考えた上で,、初診担当の先生の診察に加わります。このため,自分の考え方を見直したり,多くの知識を学んだりすることができます。

 また,手術が必要な患者さんに対しては,木曜日のクリニカルカンファレンス(外来患者を対象とした教授回診)で治療方針を検討した上で,自分で入院のマネジメントから手術の助手,退院まで責任を持って担当します。予診から入院中まで一貫して担当することで,医師としての責任や患者さんとの信頼関係を築くことができるので,とても良いシステムだと思います。

 入院する患者さんは,半分以上が皮膚腫瘍で手術をする方です。手術は,基底細胞癌の様に局所麻酔で行うものから、乳房外パジェット病や悪性黒色腫などの様に腫瘍切除だけでなくリンパ節郭清も必要であり,ときに10時間以上に及ぶ大きな手術まで多岐にわたります。熱心に手術手技を教えてくれる先生方がいらっしゃるので,1年生でも植皮術やセンチネルリンパ節生検をやらせて頂ける機会があります。

 当科は研究面でも充実していると思います。実際の臨床で出会った興味深い症例があれば,様々な方面からアプローチを試みています。実際に私の経験した多発立毛筋平滑筋腫の症例に対して遺伝子検査をしたところ,世界で初めての変異を発見することができました。

 学会発表も積極的に行っています。ただ発表するだけでなく,5分という発表時間の中に自分の伝えたいメッセージをわかりやすく最大限盛り込むために,分かりやすいスライドを作り,原稿は暗記し入念な予演を行う大切さを教わりました。おかげで,まだ1年生ですがしっかりと自分の主張が伝わる良い発表ができたと自負しております(是非,二人で発表した大阪での 皮膚科学会総会での成果 もご覧下さい)。また学会発表のために学んだ知識は,次の日からの診療に役立っていると肌で感じる機会も経験します。

 このように充実した皮膚科研修の毎日ですが,なによりも自慢できる点はスタッフみんなの仲がとても良いことです。優しくて教養あふれる先生方や美しい先輩,優秀な同級生に支えられてストレスのない楽しい毎日が送れています。

 自分のやりたい分野も大切ですが,熱心に取り組むことで,どんなことでも面白くなるものです。素晴らしい人間関係に恵まれることも人生にとっては重要なのではないでしょうか? 一人でも多くの方々が皮膚科に興味を示して下さること祈っております。

千葉大学医学部の同窓会誌に掲載された記事を転載