後期研修医の日常(2009年11月)

月曜日

週の始めなのでなんとなく早めに外来に到着。細々した用事を済ませ,8時頃病棟へ。受け持ち患者さんを一周りした後,カルテ記載。

 8時半から病棟回診。電子カルテ上で温度板を見ながら簡潔にプレゼン後,回診。その後病棟患者さんの包交をしているうちに9時過ぎ頃になると,外来クラークさんや看護師さんから「初診患者さんが来てます」コールが来るので急いで外来へ。

 初診患者さんの予診(臨床写真とダーモスコピー撮影,カルテ記載,必要なら真菌鏡検も)をとり,新患担当の先生にカルテを回す。ここでもたもたしてしまうと鎌田先生の初診が一向にはかどらないので,スピーディーにかつ必要な情報を引き出せるように心がけている(つもりなのです~)。そして自分が予診をとった患者さんの診察につくと診断,治療までの過程が学べ,大変勉強になる。他に外来当番にはベシュライバー(担当の先生のスタイルにより微妙なバリエーションがあるが,電子カルテで処方,次回の予約,検査のオーダーなどを入力)というお仕事もある。なので基本的に外来には予診係とベシュの2人,その日の午前にオペに当たっていない人が当たることになる(稀には1人の事も‥‥)。

 オペ当番の日には,朝の病棟回診,包交までは外来当番の月曜と一緒。月曜のオペは局麻のものが多いので9時半の入室に間に合うようオペ室へ。病棟とオペ室の看護師の申し送り後に入室。写真を撮ったり,上の先生とデザインを描いたりした後,手洗いし手術に入る。植皮なども沢山経験させて頂き,充実している。月曜のオペは大抵3件で午前中に1件,早ければ2件終わることも。

 午後は千葉県立こども病院に外勤に行かせて頂いている。1時頃,神戸先生と出発。大網街道を一直線,30分程で到着。予約の患者さんを診察。外来の患児はアトピー性皮膚炎が多い。外用剤についての知識から生活指導まで多岐にわたるきめ細やかなアドバイスにより皮膚がみるみる改善していく。それとともに表情まで明るくなって行くこども達を目の当たりにして,感動。

 他に病棟から診察依頼が入れば往診に行く。おむつやギプスによるカンジダ性皮膚炎,湿疹,カテーテル固定等によるテープかぶれからGVHD,薬疹,はては掌蹠の角化を伴う謎の難聴(大学での診療の空いた時間に,研究室で遺伝子解析をしている),先天性表皮水疱症などその疾患は幅広く大変勉強になる。診断に悩む症例は写真を大学の写真カンファレンスで検討することもある。大抵4時半ころ終了し,大学へ戻る。

 6時から病理組織検討会。それに備えて準備。自分の担当の病理組織を提示して所見をプレゼン(先生方のご指導&プチ講義が織り交ぜられる)。

終了したら片づけをして外来へ戻る。一日の最後に写真整理のお仕事(その日撮った臨床写真のデータに名前を付けて整理後,臨床写真リストを作成)があるが,最近は初期研修医の先生が頑張ってくれているので助かっている。

火曜日

火曜日は腫瘍外来という専門外来が行われている日です。

 わたしたちの主な仕事は,「手術を担当している末廣」先生のベシュライバーです。経過観察のためのCTやMRIなどの画像検査のオーダーや処方・予約といった作業に加えて,いい所は自分が入院中に受け持った患者さんの経過を一緒に見ていけることです。千葉大学の皮膚科では,入院患者さんの半数以上が悪性腫瘍に対するオペ目的の患者さんであり,そのほとんどはこの腫瘍外来でフォローされます。

 午前・午後とも基本的には腫瘍外来のサポートという形ですが,午後は病状の重い担癌患者さんなどもいらっしゃいますので,そういった患者さんに対するケアを心がけて,診察に同席させて頂いています。また,当科にはそういった患者さんの対応に熱心に取り組まれている医師がおり,彼も活躍しています! その医師は,他科の医師からは“Paget”の愛称で親しまれるほど乳房外Paget病に力を入れており,mapping biopsyなども積極的に行っています。

 夏過ぎから,午後は隔週で九十九里地区の穏やかな雰囲気の病院の外来診療にも行っています。3時間くらいの診察時間の間に30-40人の患者さんを診察します。行き始めた頃には,分からない症例が来られたらどのように対応しようかと不安もありましたが,だんだん慣れてきて,時間どおりスムーズに診察を行えるようになってきます。自分での判断が難しい症例は,欠かさず写真を撮って大学に持ち帰りみんなに質問します。

 外勤から戻ると,病棟に携わる医師みんなで夕回診をします。その後,翌日の手術の担当になっている人は,患者さんに手術の説明などのムンテラをして,おしまいです。

 翌日は結構大きな手術が入ることもあるので,十分な睡眠をとることがポイントです!

水曜日

水曜日は,新患外来と中央手術室でのオペ日がかぶっています。自分が入院で担当になった患者様の手術の際には,基本的に手術室に配属されます。「担当の上級医の助手」という形で手洗いができる機会も比較的多いですが,「ピンク帽」というマネージャー的な仕事もみんなで平等にこなさなくてはいけません。

 オペの内容としては,皮膚悪性腫瘍切除術がほとんどで,センチネルリンパ節生検や廓清なども積極的に行われています。疾患としては,基底細胞癌や有棘細胞癌,悪性黒色腫などに加えて,今年はなぜか乳房外Paget病がたくさんいます!植皮術(全層も分層も)に加えて,ラッキーなあなたはリンパ節生検をやらせてもらえる日もあります。
手術症例の担当医になっていない場合は,外来当番です。10月からは外来医長の外川先生が初診外来を担当していますが,午前中の流れは月曜とほぼ同じ。

 午後は皮膚生検を数件。空いた時間に病棟患者さんの包交の残りを済ませています。夕方から新患台帳に病名を記載しつつ,その日撮影した初診患者さんの臨床写真やダーモスコピーの写真とを照らし合わせ,時にはカルテを開けてオーダーされた検査や処方を確認,紹介状の返信にも目を通してと,その日に診察した新患さんの復習をしています。その後は翌日のカンファの準備。

 オペ室での手術の進行具合にもよりますが,夕方,病棟回診をして,仕事が溜まっていなければ終了です。

木曜日

いちばん大事なカンファの日です。

 朝8:30から病棟のカンファレンス室で入院患者さんおよび退院患者さんのプレゼンをし,みんなで検討します。その後,「教授回診」で実際に入院している患者さんの創を見て回ります。

 回診後,手分けをして手早く包交を済ませ,終わった人から外来に向かいます。外来では,他院の皮膚科専門医の先生方からの紹介状を持った新患が待っています! 悪性黒色腫や進行した有棘細胞癌など大がかりな手術の適応のある症例が紹介されてくることが多いので,大張りきりで頑張ってアナムネを聴取し,臨床写真を撮って,この後のカンファレンスに備えます☆

 そして,10:30からのクリニカル・カンファレンス(外来教授回診)では,あらかじめ担当が割り当てられた患者さんを臨床写真や組織を見せながらプレゼンし,その後,看護師さんに診察室へと呼び入れて頂き,全員で診察します。

 その日の予約患者さんの診察が全て終わった後に,個々の診察室に再度,患者さんと一緒に来られた家族の方に入って頂き,検討した方針を患者さんに説明します。入院手続きや手術の説明をしたり,同意書をとったり…と,とにかく忙しい時間を過ごしていますが,順番をみて皮膚生検もこなします。
すこし落ち着くと,午後1時から始まる松江教授の外来(再診)のベシュライバーをするか小手術をするか,大きく2つに分かれます。基本的には自分の関わりの深い患者さんの診察に関わる様に仕事を分担しています。手術枠の関係から,この時間に,外来処置室で植皮術を行うこともありますので,気がつけば夕方の回診まであっという間だったね,という日もあります。

 夕方もまたまたカンファです。病理カンファおよび臨床写真カンファをします。1週間の症例をまとめて復習できるいいチャンスで,診断に到る考え方から臨床写真の撮り方までいろいろ勉強できます。

基本的にはカンファが終わればその日のdutyは終わりですが,カンファレンスで担当になった症例をまとめたりして,結構遅くまで居ます。忙しい一日ですが印象に残る症例をいっぱい経験できて,一人の皮膚科医として楽しく仕事ができる一日なのです☆(きらっ)

金曜日

金曜日は神戸先生の外来です。「新患のアナムネをとって診察につく」という流れで教えてもらえる素敵な日です。

 午後は,田舎の病院にバイトに行きます。ここでは,6つの病棟や施設の回診をします。基本的には1人ですが,困ったときには外来にも上級医がいるので質問も可能です!

 外勤先の病院での勤務が終わると,急いで大学に戻ってみんなで夕回診をします。週末の方針を確認して,次週の指示箋を確認したら,楽しい週末です♪

土・日曜日

当直は,今年の4月から形成外科と分担しており,両科のPHSを携帯。皮膚科の土日の当番は,基本的に土曜朝8時半から日曜朝の包交終了まで。
呼ばれなければ退院サマリーを書いたり,翌週入院する患者さんのオーダーを入れたり,普段気になっている所を片づけたり等々細かいお仕事を済ませる。呼ばれるのは病棟患者さんの事や,救急隊からの要請,他科からの依頼などだが,必ず待機の先生がいらっしゃるので心強い。

 当直室は病棟のすぐ近くで病棟と同じく,きれいな部屋です。形成外科と当直業務を分担していなかった時には,半年交替で隣の窓のない部屋も使っていたという話だけど,今はベッドのマットがちょっと硬いことを除けば,そんなに不満はない? えっ,朝顔を洗う際に,洗面台のお湯の出が悪いって。

皮膚科専門医マップ

教室紹介

後期研修医の日常

教室行事

学会印象記

facebook

千葉大学皮膚科の今を発信しています。

業績

水曜日

新しく買い換えた分層植皮を採取するための電動デルマトームの使用法について,水曜日に手術を手伝いに来て下さる君津中央病院の皮膚科部長から説明をうけているところ。

木曜日

外来処置室での風景。働く医師が増えるとともに,手術枠があったもののこれまで使っていなかった月曜日にも手術を行うようになりましたが,それでも対応出来ない場合には,木曜日のカンファレンスの後に,みんなで外来処置室にて手術を行うことがあります。ときには,小さな悪性黒色腫の切除や植皮をここで行うことも。そのための設備も準備されています。

金曜日

前年度まで,教科書を入れるために壁際に置かれていた木製の棚(‥‥実は,他の診療科で不要になった食器棚であったことが,処分するときに判明!)に替わって,モニターへ投影できるデジカメを設置した顕微鏡を購入。カンファレンスで大活躍するとともに,診察時に病理組織や真菌を直接患者さんに説明できる環境が整いました。

JEF 病棟回診

「システムはもっとできる選手から自由を奪う。システムが選手を作るんじゃなくて、選手がシステムを作っていくべきだと考えている。チームでこのシステムをしたいと考えて当てはめる。でもできる選手がいない。じゃあ、外から買ってくるというのは本末転倒だ。チームが一番効率よく力が発揮できるシステムを選手が探していくべきだ」

「作り上げることは難しい。でも、作り上げることのほうがいい人生だと思いませんか?」

~ オシム語録より  (残念ながら,JEFはこの年,J2に落ちてしまいましたが‥‥)

その場所,その時点で,もっとも研修になる体制を築ける様に,絶えずシステムを改変することで,実際に業務に携わる者が効率よく働ける様に柔軟に対応しています。 現在の構成員では,病棟と入院の業務を分けるだけのマンパワーが十分ではないと判断し,(病棟の看護師さん方にはご迷惑をおかけすることもありますが)今はこの体制での診療となっています。