後期研修医の日常(2011年7月)

月曜日‥‥この日が終われば週も半分お終い?

病棟へ行き,受け持ちの患者さんの回診から1週間が始まります。週末の間に変化がなかったかを確認しつつ,月曜日と水曜日は手術日なので,受け持ち患者さんが手術の場合には点滴を入れます。その後,ひがし棟9階のナースステーションで電子カルテを書きつつ全員が集まるのを待ちます。

 朝8時半。病棟医が集合したところで病棟回診が始まります,自分の患者さんを簡単にプレゼンした後,みんなで病棟を回診し患者さんのお顔をみて回ります。その際に,患者さんの状態を見て,今後の治療方針が決まることもあります。

 回診後は包交です。病棟処置室で1人ずつ行い,担当患者さんの処置には積極的に参加します。経過が順調だったり,時にはそうでなかったり,日々変わっていく皮膚の状態を実際に目にするのは勉強になります。

 その後,手術担当の人は手術室へ。そうでなければ外来へ降りることになります。外来の業務は主に新患の病歴聴取,写真撮影,処置です。写真撮影といっても記念撮影とは違い,撮り方ひとつで病気を理解しているかどうかを見抜かれてしまうこともあるのでドキドキです。

 夕方には病棟カンファレンスと病理カンファレンスが行われます。入院患者さんの経過を撮影した写真を呈示しつつ,この1週間の変化と治療方針を報告し,全員で話し合った後,病棟の回診をしています。その後,桜並木を5分ほど歩いて,医学部の研究室へと場所を移し,この1週間にできあがってきた病理標本を呈示し,みんなで議論します。上の先生の鋭い指摘にドキドキしつつも,とても勉強になる時間かと思います。

 カンファが終われば,あと少し。病院へと戻って病棟の仕事をこなし,写真整理をしたら帰宅です。一週間のうち月曜日は比較的やることが多いので,月曜日が終わると何だか既に週の半分くらいが終わったような気もします。

火曜日‥‥千葉大皮膚科の名物外来といえば

火曜日の朝は病棟包交もそこそこ,急いで皮膚科外来へ。火曜日は手術を担当している末廣先生の腫瘍外来があるからです。「今日の人数は?」と聞けば,「午前32人,午後15人です」と間髪入れずに事務の川島さんが笑顔で答えて下さいます。絶望。今日もお昼ご飯は遠い‥‥。

 ゲシュライバーに付いて,はんこ押し・記名・パソコン入力・処方・次回予約・「おだいじにー」の掛け声。山のように押しよせる術後の患者さん達を,表現は悪いけれど文字通り,バッサバッサと捌き切らなければならないのです。末廣先生の顔にも疲労が浮かぶ。心なしか蒼白い頬を心配していると,「あ,ちょっと臨研(外来裏の臨床研究室。通称“りんけん”と呼ばれる憩いの場)で糖分とってくるねー♪」の一言。大丈夫,末廣先生は今日も元気です。

 外来をどうにか乗り切り,昼食をかっこみ,夕方にはRI室でセンチネルリンパ節生検のため,明日の手術予定の患者さんへ核種を注射するのです。「あー」とか「ふーん」とか,集積場所を想像しながら,待つこと30分。SPECT-CTまで撮影し終え,いつも通りの夕回診を終えれば,業務は終了です。

 火曜日は比較的時間に余裕があるので,今年は仕事の後には1年生だけで勉強会。目下のテーマは「Lever読もうぜ!!」 グダグダ飲食しながら,抄読会形式と組織を供覧,自由闊達てきとーにあーだこーだ言い合うのが楽しい時間なのかもしれません。来年も同期が多いといいね。

水曜日‥‥なんといっても手術日!

水曜日の特徴は,なんといっても手術があること。全身麻酔の大きな手術が1~2件あります。外来も通常通りありますので,朝から手術班と外来班に分かれて行動します。

手術班の一日。いつもより早く来て,手術患者さん達に点滴を入れます。8時15分には手術室へ。患者さんを手術室へ迎え入れて,いよいよ手術です。

 手術を担当する末廣先生が,華麗に悪い腫瘍を切除していきます。私達は手術の助手をしたり,標本の写真記録をしたりします。細かい手技についても,ひとつひとつ丁寧に末廣先生が教えてくれますので,とても勉強になります。

 手術が終われば病棟へ。外来班と合流,残っている包交をやり,夕回診です。その後,翌日のカンファに備えて準備をし,一日がおしまいです。

 外来班の一日。いつも通り朝回診。その後外来へ。水曜日の外来担当は神戸先生です。患者さんを待たせないよう,せっせと問診を取っていきます。こんなことも知らないのか,と神戸先生に怒られながらも,非常に勉強になる一日です。

外来が終わったら病棟へ戻り,手術が終わった手術班と合流。あとは手術班と一緒です。

 

木曜日‥‥朝から晩まで,カンファレンス漬けの1日

カンファレンスの日,バタバタと時間に追われ,慌しい一日です。

 朝8時から松江教授による「西山アトラス」を用いてのありがたい講義です。教授ならではの視点もありつつ,英語の発音にダメだしをくらいながらも,談笑をまぜつつ,あっという間の30分です。

 その後,8時半からの医局会。医局長などからの連絡事項が終わると,教授を前にしての病棟カンファレンスが始まります。臨床写真や温度板を画面に示しながら,プレゼンを行います。治療方針を変更する際や難しい症例では,この場で方針を提案し,検討されて決定します。そして退院患者の報告が終われば,回診前に必ず手を洗う松江先生を待って,病棟の回診です。

 その後,包交が必要な患者さんの処置を手分けして急いで終わらせて,外来へと向かいます。外来には,当日クリニカルカンファレンスを受診する患者さんがいらしているので,10時半の開始時間までに,その日紹介状を持参して初めて受診された患者さん達を診察し,臨床写真をすばやく撮影し,アナムネをとります。クリニカルカンファレンスとは,悪性黒色腫や有棘細胞癌,基底細胞癌などの悪性腫瘍で手術が必要な方や治療方針に苦渋した患者さん1人ひとりに対して,千葉大皮膚科医局員全員で皮疹を診て診察とういう形で進められます。研修医には毎回担当患者さんが割り当てられるので,担当となった患者さんの情報を短い時間の中で的確にプレゼンしていきます。診察室のTVモニタに映しだされた写真を前に,臨床所見の現症やダーモスコピー像,ときには病理所見を説明していくことが求められるのですが,緊張する瞬間です。ここでの検討の結果を,その後,上級医とともに患者さんとその家族へとムンテラし,手術予約や検査予約を入れていきます。

 気づくと12時すぎになっているので,いつも開始時間よりも10分早く始まる午後からの教授外来のベシュライバーにつけるかを同期に確認し,人がいるのを確認して,ほっと一息。いざお昼ご飯です(やっぱり,来年も同期が多いといいね。)。午後は,各々生検や小手術,手術予定の患者のムンテラ,担当患者の手術オーダーや入院オーダーなどを行います。その後病棟の夕回診を終わらせ,カンファレンスです。

この日の病理カンファレンスでは,月曜で担当になった症例を教授に対してプレゼン。追加で調べてきたことを含めて発表します。その後の臨床写真カンファレンスでは1週間で撮影した臨床写真を全て提示し,全員で確認,治療について検討します。その際,外来で自分がアナムネをとったり,関わったりした患者さんに対してはコメントをして,少しでもカンファレンスに参加するよう心がけています。写真を見返すことで,写真の撮り方から診断への考え方,治療などを他の先生方からのコメントから学べる貴重な時間です。

 カンファが終わると慌しかった一日も終わりです。あとは,癒しの金曜日を残すのみ。週末に向けて気持ちが軽くなります♪ (私だけ?笑)

 

金曜日‥‥ようやく癒しの一日

1週間で最後の一日は,外病院での外勤からスタート。大学病院ではまだ自分の外来は持てないけれど,外の病院では一人前に自分の外来の枠をいただいています。

 日頃なみなみならぬプレッシャーのもとでしごかれている大学病院を離れ,外来の患者さんと向き合ってお話しするのは,気分も変わりフレッシュな気持ちで仕事が出来ます。でも,診断をするのも治療を考えるのも基本的に1人でやらなければならないので,油断は禁物! 難解な紹介状と格闘しながら汗を流して頑張ります。ふーっ,今日も17人か。たくさん診察したなぁ。

 お昼を少し過ぎた頃に外来は終わり,「先生,お疲れ様でした」とジュースの差し入れをもらい,癒された気持ちになります。後ろ髪を引かれる思いで外勤先の病院をあとにし,途中でお気に入りのカレー屋さんでおいしいナンを食べてから,大学へ。

 幸い,金曜日は後期研修医にとって,比較的時間のある一日です。外来のお手伝いをした後,病棟の仕事を始めます。みんなで入院患者さんの包帯交換をしている最中に,他の病院へ外勤に行っていた同期が帰ってきます。あまり表情に余裕が見られない彼に,心配して声をかけても,さえない表情。「今日は今までで一番多くて,17人だったよ。」と話をふると,両目をカッと見開いて口角をぐっと上げ,不敵な笑みを浮かべながら「ハハハ!こっちは80人だったさ!」と,やつれた顔で応えてきた。

 日課である夕回診の後は,昨日のカンファレンスで相談した内容が治療方針にきちんと反映されているかを確認しながら,来週の治療や検査の方針を考えます。もっと良い治療はないか,何か見落としがないか。パソコンの隅から隅まで目を通し,頭をひねります。1週間で一番ゆっくりと患者さんと向き合える時間でもあるので,使えない電子カルテと格闘した後は,患者さんに今後の方針を伝えがてらお話しをしにいきます。

 さて,帰る前にもう一仕事。来週の月曜日に待ちかまえている病棟カンファと病理カンファの準備! 自分で生検した患者さんの病理を,教科書をめくりながら,診断が間違っていなかったか,病変の範囲はどうであったか,顕微鏡をのぞきながら確認します。中途半端な準備でのぞむと,来週のカンファで赤鬼さんに退治されちゃうから,入念に下調べを行います。

 ここまでで,後期研修医の1週間の仕事は一区切り。外勤先から戻ってくる先生に見つかって,ストレス解放のお供として夜の町に連れて行かれる前に,早めにおうちに帰りましょう!

 

週末‥‥頑張った自分を休めてあげる時間

翌週のエネルギーを蓄えるために,週末はゆっくり休むのが皮膚科です。

 とはいえ,土曜日が日当直だったり,日曜日が当番だったりするので,週末が仕事のときもあります。また,当番じゃなくても土日のどちらか片方は病院に行って,当番の人と一緒に包交したり,自分の患者さんの様子を確認したりすることが多いです。(ちなみに皮膚科は当直を形成外科とシェアしていますので,土曜日から日曜日の朝までが皮膚科の当直医としての仕事です。)

 土曜日が日当直のときは‥‥

 朝から翌朝まで病院にこもります。日当直の仕事は,入院患者さん全員の包交・入院患者さんに何かあったときに呼ばれる・救急外来に患者さんが来たときに呼ばれる,などですが,基本的には包交が終われば呼ばれることはほとんどありません。ただし,気を抜いていると急に忙しくなったりしますので,期待しない方が吉です。

 後期研修医が当直のときは,必ずバックに上級医の先生が待機当番でついてくれています。分からないこと・困ったことがあったら電話をして相談したり,場合によっては病院に駆けつけてくれたりしますので,とても心強いです。上級医の先生たちの仕事を減らせるよう,早く成長しなければ…と思いながらも,駆けつけてくれる先生方…いつも感謝しています。

 日曜が当番のときは‥‥

 午前中に入院患者さんの包交をやります。それが終われば,帰宅してOKです。

 しっかり休んで翌週またがんばりましょう。

2012病棟スタッフ