後期研修医の日常(2013年11月)

月曜日

午前: 初診外来または手術(局所麻酔)
午後: こども病院外来、病棟カンファレンス、病理カンファレンス

 平日は毎朝8時半から病棟回診があり、担当患者さんを診察後、回診時に電子カルテを使いながら担当患者さんの病状経過を説明します。回診後は必要な患者さんに包帯交換(包交)等の処置を行います。
 月曜と水曜は手術日で、月曜日は局所麻酔の手術、水曜日は主に全身麻酔の手術を行っています。月曜日は基底細胞癌やエクリン汗孔腫など、全摘+縫縮または植皮となる手術が1日3~4件あり、担当患者さんが手術の場合は回診前に点滴を入れ、回診と包交の後に手術に入ります。担当でない患者さんの場合はバイタルの記録や摘出された検体の保存など外回り(オペマネージャー)の仕事をします。

 手術に入らない場合は、朝の回診、包交が終わり次第、外来へ向かいます。初診患者さんに対しては、外来担当医の診察前に予診として病歴聴取と臨床写真の撮影を行います。必要があれば予め真菌の鏡検や経皮的超音波検査を行うこともあります。また処置目的の再診患者さんが来ることもあるので、その場合は処置係として紫外線療法や凍結療法などの処置を行います。

 色素性病変や腫瘍疑いの場合などでは、通常の臨床写真に加えてダーモスコピーを用いた写真も撮ります。ダーモスコピーは機能的な拡大鏡と言えるもので、所見に関してはまだ未解明の部分もありますが、診断上の有用性は年々高まっています。今では皮膚科のダーモスコピーは内科の聴診器に例えられるほど、重要なものとなっています。また、当科では撮影した写真データがカメラから無線LAN(Wi-Fi)で自動的にパソコンへ取り込まれるため、写真整理もパソコン上で行っています。以前はフィルムから現像してスライドにし、手書きで写真リストを作っていたので、その頃と比べると格段に進歩している印象です。

 午後は准教授とともにこども病院へ。アトピー性皮膚炎や伝染性軟属腫(水イボ)など小児に多い疾患とともに、普段なかなか見られない希少疾患を見る機会もあり、勉強になります。

 夕方には大学へ戻り、5時から病棟カンファレンスと病理カンファレンスが行われます。病理カンファレンスでは,自分が手術や生検を担当した患者さんの病理結果を報告します。その後は入院患者さんのカルテ記載や写真整理を行い、1日が終了となります。

火曜日

午前:腫瘍外来(再診)
午後:腫瘍外来(再診)、RI(核医学)検査、勉強会

 月曜日と同様に、朝はまず病棟回診・包交を行います。 火曜日は腫瘍外来の日で、皮膚外科担当の先生(通称、チーフ)のベシュライバー(カルテ記載係)として、手術後のフォロー、あるいは化学療法目的で来院される患者さんを診ていきます。 多くは経過良好で、数ヶ月に一度の診察と血液検査、CT等の画像検査でフォローするのですが、中には症状悪化のため予約外で受診する方や、検査の結果、転移が疑われる方もいて、対応に苦慮する場合もあります。地域医療連携部とともに終末期の受け入れ先を探すこともあり、やりとりに重みを感じます。

 夕方4時からはRI検査があり、翌日センチネルリンパ節生検を予定している患者さんへ核種を局所注射し、集積を確認します。その後は病棟回診を行い、カルテ記載や指示出しなどの病棟業務が終わったら、6時頃から30分程度の勉強会があります。テーマは少しずつ変えており、2012年は皮膚病理について、2013年はダーモスコピーについてと専門医試験に関連した内容を勉強しています。若手を中心とした少人数の自主的なものなので堅苦しくはなく、鮮度の高い情報が聞けてとても参考になります。

水曜日

午前・午後:手術(全身麻酔、局所麻酔)

 水曜日は全身麻酔がメインの手術日です。悪性黒色腫や有棘細胞癌、乳房外パジェット病など、腫瘍切除+植皮と併せてセンチネルリンパ節生検を要する手術を中心に1日2~3件行っています。週によっては局所麻酔の手術もあり、この日は8時15分の入室以降、昼食時以外は夕方まで手術室にいることになります。 当科は全国の皮膚科の中でも皮膚悪性腫瘍の手術件数が多く、中でも悪性黒色腫は年間30件以上あるため、ほぼ毎週のように見る機会があります。1年で植皮ができるようになるのが目標ですが、外科経験の豊富なチーフのおかげでリンパ節郭清はもとより足趾離断術などを見る機会もあり、植皮に限らず多くの症例が経験できます。

 手術後は夕方に病棟回診を行い、手術で摘出した検体をホルマリン固定して病理検査へ提出。明日のカンファの準備を終えたら業務終了です。

木曜日

午前:病棟カンファレンス、クリニカル・カンファレンス
午後:教授外来、生検、抄読会(または研究報告、予演会など)、病理+写真カンファレンス

 木曜日は1週間の中で最も長い1日となります。まず8時半からは病棟カンファレンスがあり、病棟の担当患者さんの病状経過を報告します。その後は教授回診があり、包交を終わらせたら外来へ移動します。

 10時半からは「クリニカル・カンファレンス」と呼ばれる外来があり、入院や手術となりそうな患者さんを皮膚科全員で診察し、症例検討した後、治療方針を決定します。この際、事前に担当患者さんの病歴聴取と写真撮影を行い、すでに紹介元の前医で生検されている場合は病理所見も併せて報告します。その後、診断や治療方針などを上級医とともに患者さんへ説明し、検査や手術の日程などを決めていきます。

 午後1時からは教授外来のベシュライバーとして再診の患者さんを診ていきます。午前の患者さんが多いと午後にずれ込んでしまうため、その時は他の先生と交代で昼食を摂ります。また、午前中の担当患者さんが皮膚生検の予定となった場合などは生検に入ります。

 夕方4時半からは抄読会や学会の予演会などの後、病理カンファレンスと写真カンファレンスがあります。病理カンファレンスでは月曜日夕方のカンファレンスの中から症例を選んで教授に報告しています。続いて写真カンファレンスでは1週間の間に撮影した臨床写真やダーモスコピーの写真を見ながら外来担当の先生が報告を行い、症例を検討しています。最後は次週手術予定の患者さんについての報告を行い、長い1日が終わります。

金曜日

午前:初診外来
午後:老人保健施設への外勤

 朝はまず病棟回診、包交を行います。その後は外来へと向かい、月曜日の初診外来と同様に病歴聴取や写真撮影、処置などの業務にあたります。

 午後は地域の老人保健施設へ行き、入所者さんの診療を行っています。白癬やカンジダなど真菌の鏡検が必要なことが多く、かなりの経験になります。月曜はこども病院、金曜は老人保健施設なので、幅広い年齢層の高頻度疾患を診ることになります。その後は夕方、大学へ戻り病棟回診を終わらせたら業務終了です。

 その他、平日は夜間当直があり、週末とあわせて月に3回(平日2回、週末1回)くらいの当直を担当します。病棟の患者さんへの対応が主となりますが、要請があった場合は救急外来での診療も行います。

週末

 週末は包交業務があるため当番制で土日のどちらかは朝8時半に出勤します。病棟回診と包交が済めば終了ですが、自分の場合は月曜のカンファレンスの準備も週末にやっています。

 また、週末に日当直(24時間)の場合は朝の病棟回診と包交の後、病院内に残って病棟または救急外来での診療にあたります。待機(オンコール)の場合は、朝、当直明けの先生と共に回診と包交を行い、後は自宅で待機です。