後期研修医の日常(2016年3月)

久しぶりの「後期研修医の日常」をお届けします。間が空いてしまいましたが、当科は2014年度は3名、2015年度は5名、2016年度は5名の入局者を迎えています。

月曜日

午前:初診外来または手術(局所麻酔)、(外勤)
午後:生検などの処置、(外勤)、病棟カンファレンス、病理カンファレンス

午前:
 朝8:30に9階東病棟のカルテ前に集合し、入院患者さんの回診を行います。なので、少し早めに来て患者さんの状態を把握しておきましょう。その日手術担当の人は、患者さんの点滴ラインの確保もこの時間にやります。職員駐車場が8:00を過ぎてしまうとほとんど空いていないので、その前に来るのがオススメ。8:30になったら自分の担当患者さんについて軽くプレゼンした後、みんなで患者さんを見て回り、処置が必要な方は処置を行います。 処置や必要な指示出し、オーダが終わったら、外来担当の人は外来棟3階へ、手術担当の人は9:30までに手術室へ向かいます。

① 外来組

月曜日は初診外来です。患者さんの受付は8:30からですが、手続きもろもろで皮膚科の外来までいらっしゃるのは9:30前後からです。それまでは外来待機ですが、9:00過ぎから紫外線療法、SADBEなどの処置の患者さんが数人います。なので、回診が終わったらなるべく急いで外来棟に向かいましょう。 初診の方はまず、後期研修医が予診を取ります。初期研修医や学生がいる場合は、指導しながら一緒に予診を取ったり、取ってもらったりします。このときに写真撮影、必要あればダーモスコピー撮影、皮膚超音波検査、真菌検鏡検査等を行います。ダーモスコピーは機能的な拡大鏡と言えるもので、所見に関してはまだ未解明の部分もありますが、診断上の有用性は年々高まっています。今では皮膚科のダーモスコピーは内科の聴診器に例えられるほど、重要なものとなっています。 月曜日の初診担当は教授です。予診が終わったら、教授の診察前に患者さんについてプレゼンしましょう。そして教授診察を見て、どのような診断でどのような治療をするのか確認します。これ、非常に勉強になります。ただ、悲しいことに、外来担当者が少ない場合は予診を取るのにいっぱいいっぱいで教授診察につけないこともあります。そのときは、後でカルテでどういう診断でどういう方針になったか確認しておきましょう。答え合わせですね。 初診外来はだいたい12~13時くらいに終わります。そしたらみんなでご飯に行きましょう。そこから14時までは各自昼休憩、自由に過ごします。

② 手術組

月曜日は基本的に局所麻酔の手術をしています。基底細胞癌やBowen病などの原発巣切除、縫縮または全層植皮を、2~3件行っています。担当患者さんの場合は手術に入り、そうでない場合はバイタルの記録や検体処理などを行う、オペマネージャーとして働きます。9:30入室で、日によりますが大体12:00~13:30頃に終わります。

午後:
後期研修医の内1人が、上の先生と一緒にこども病院に行きます。私は行ったことがありませんが、普段見ることの少ない子どもの疾患を見ることができるので、勉強になるそうです。お子さんは大体小児科を受診するので、皮膚科に来ることは意外と少ないんです。 それ以外の人は、14時から生検などが入ってきます。診断のつかない皮疹や小さな良性腫瘍などの全摘出+縫縮術などを基本的には行います。14時と15時の枠があって、外来手術室が2部屋あるので、最大4件行うことが可能です。 17:00からは病棟カンファレンス、病理カンファレンスがあります。病棟カンファレンスでは、自分の担当している患者さんの写真を出しながら、朝の回診よりも詳しくプレゼンして治療方針等について相談します。病理カンファレンスでは自分が手術や生検を担当した患者さんの病理結果を報告します。なので、この日までに病理プレパラートを確認して診断を考えておきましょう。上の先生も気軽に相談に乗ってくださいますし、同期で相談し合ったり、準備も楽しいものです。 カンファレンス終了後は、病棟仕事が終わっているか確認し、写真整理などをしたら帰宅です。大体7~8時くらいです。

火曜日

午前:腫瘍外来(再診)、ELISA(酵素結合免疫吸着法)、(外勤)
午後:腫瘍外来(再診)、RI(核医学)検査

午前:朝は月曜日と同じです。

① 腫瘍外来組

回診を終えたら、千葉大皮膚科の外科担当、千葉県内で唯一皮膚悪性腫瘍指導専門医の資格を持っていらっしゃる先生(通称チーフ)の腫瘍外来です。私たち後期研修医は、ベシュライバー(カルテ記載係)として一緒に診察をさせていただきます。術後の患者さんのフォローや、化学療法目的の患者さんを主にみています。悪性腫瘍の患者さんの経過フォローではどこに重点を置いて診察するか、どの頻度で検査を行っていくかなどを学ぶこともできます。また、終末期の患者さんの余生の過ごし方のマネジメント(今後の方針の決定、在宅希望の場合は往診医などの手配、急変時の受け入れ先の手配など)は非常に難しく重要な仕事であり、考えさせられることが多いです。上の先生方がどのようにしているか、絶対に見ておいた方がいいと思います。

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② ELISA組

ELISAとは発色・発光反応に関する酵素と抗体を用いて、特定の蛋白濃度を測定する方法です。入院中の尋常性天疱瘡や水疱性類天疱瘡患者さんの病状を反映して自己抗体が増減するので、その検査を火曜日に手の空いている人が行います。医学部棟にある皮膚科研究室に行き、ピペットを使って希釈をしたり、カラムに血清や反応液を移したり、ちょっとした研究気分が味わえます。

午後:

午後も腫瘍外来が続きます。一人がビシュライバーとして付き、手の空いている人は、月曜日と同様に生検を行ったりします。私は火曜日の午後にパッチテスト外来に入らせてもらっていました。パッチテストとは、接触皮膚炎の抗原を検索するために、実際に抗原を背部などの皮膚に貼付して、24時間後、48時間後、1週間後に紅斑や水疱などが出現するか判定する検査です。千葉大学にはジャパニーズスタンダードアレルゲン、17種類の金属のパッチテスト用試薬があります。それらに加え、化粧品や手袋など、原因として疑われるものがあれば持参していただき検査をしたりします。 16時からはRI検査があり、翌日センチネルリンパ節生検を予定している患者さんへ核種を局所注射し、集積を確認してセンチネルリンパ節を同定します。 その検査が終わったら病棟回診をし、カルテ記載などの病棟業務が終わったら終了です。 火曜日は1週間の中でいちばん早く業務が終わる日で、大体6時頃には帰れます。飲み会などの予定を入れるもよし、残って勉強するもよしです。

水曜日

午前:初診外来または手術(全身麻酔)
午後:生検などの処置

午前、午後:

① 外来組

月曜日と同じです。手術組は戻ってこない場合は、外来組で16:00~17:00くらいに病棟回診をします。

② 手術組

8:15入室なので、それまでに病棟の患者さんを見て、2件目以降のオペ患さんの担当の場合は、ライン確保をし、手術室へ向かいます。 水曜日は、悪性黒色腫や乳房外パジェット病など、センチネルリンパ節生検やリンパ節郭清が必要な患者さんの手術を全身麻酔下で行っています。千葉大は何と言っても、国立大学の中で悪性腫瘍の手術件数が日本で一番なのです。火曜日の腫瘍外来を担当していたチーフを始め、手術担当の先生方が、手取り足取り手術について教えてくださいます。大体2~3件ですが、この日は手術担当の人は夕方までオペ室にいることになります。 水曜日はオペがあったり、翌日のカンファレンスに向けて写真整理などをしたりするので、1週間の中ではいちばん帰りが遅くなる日です。予定は他の曜日に入れておいた方が安全です。

木曜日

午前:勉強会、病棟カンファレンス、教授回診、クリニカルカンファレンス
午後:外来手術、写真カンファレンス

午前:

この日は普段より30分早く、8:00から勉強会があります。コーヒーとドーナツをほおばりながら、教授の講義を聞きます。 img_2015_2 8:30から病棟カンファレンスを行い、それが終わったら教授回診です。10~20人で入院患者さんの部屋を回ります。積極的に行かないと、人の背ばかりで患者さんがほとんど見えません。がんばりましょう。 その後、前日のオペ患さんの包交をして、急いで外来に行きます。 10:30からはクリニカルカンファレンスが始まります。悪性腫瘍の患者さんや、悩ましい症例の方を皮膚科医師全員で検討し、治療方針や手術日程を検討します。事前に外来を受診している方だけでなく、当日初めて紹介受診される方もいるので、10:00頃までには外来に行って予診を取るようにしましょう。 カンファレンスで方針が決まったら、患者さんに説明を行います。

午後:

クリニカルカンファレンスに来た方で必要な方の生検を行います。また、木曜日は外来手術室で、小さくて縫縮可能な悪性腫瘍の手術も行っています。 16:30からは写真カンファレンスです。前1週間に撮影された患者さんの写真を皮膚科医師全員で見て再検討します。ここで、外来で見て悩んでいる患者さんについて相談もできますし、自分が直接診察していなくても、いろいろな症例を見ることができるので、非常に勉強になります。 カンファレンス後は夕回診、病棟業務を終えたら終了です。木曜日は1週間の中でいちばん濃い1日になります。

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金曜日

午前:初診外来(外勤)
午後:生検などの処置

午前:

月曜日、水曜日と同様です。 この日は外勤に行く人がいちばん多い日です。私も金曜午前が外勤でした。後期研修医は基本的には週1回が外勤日となり、自分ひとりで外来を行う唯一の機会です。千葉大皮膚科の関連病院はすべて千葉県内なので、遠くても車で高速を使って1時間程度です。病院にもよりますが、私の外勤先は午前中で患者さんが30~50人くらい、多いと60人くらい来ていました。大学とは違って水虫や湿疹、褥瘡などのcommon diseaseがほとんどですが、たまに薬疹や悪性腫瘍の患者さんも来たりします。多くの患者さんの診察をどうやって回すか、common diseaseをどう診療するか等、とっても勉強になります。難しくもあり楽しくもあり。後期研修医の外勤先は、基本的に別の曜日に上の先生が行っているので、相談も可能です。

午後:

他の曜日と同様に生検などの処置を行います。 16:00~17:00に夕回診をして病棟業務を終えたら1週間がおしまいです。お疲れ様でした。

土日、当直

当直はだいたい、月に平日1回、休日1回で、待機が月2-3回あります。 土日に関しては、私たちは同期が5人いたので、分担してどちらかに来るという形にしていました。土曜当直の人はどちらも参加です。8:30に病棟に集合して、回診して包交します。患者さんの人数、重症度等によりますが、9:30から遅くても午前中には終わります。 私は週末を利用して月曜のカンファレンス準備などもしていました。

以上で1週間が終了です!