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A. 肉眼所見
全奇胎の肉眼所見は嚢胞化した絨毛が互いに樹枝状あるいはブドウの房状に連なり、胎児成分を認めないことであり、その肉眼的所見から葡萄状奇胎あるいはぶどう子妊娠と呼ばれた時期もある(写真1)。また肉眼的、顕微鏡的に嚢胞化した絨毛と胎児、臍帯など胎児成分を認める場合には部分奇胎とする(写真2)。
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B. 診断
全奇胎、部分奇胎の自覚症状として特異的なものはなく、部分奇胎の自覚症状は全奇胎に比較して軽微である。教科書的に挙げられるつわりがひどい患者は全奇胎の20%程度、不正出血は全奇胎の90%で認められるが、妊娠中の出血は他の病態でもでも見られ、胞状奇胎に特異的と云うことはできない。
C. 超音波断層法
全奇胎(写真3)、部分奇胎の超音波断層像を示す(写真4)。子宮内にvesicle & spaceの所見を認め、全奇胎と診断することは容易である。部分奇胎では正常妊娠と同様に胎嚢(Gestational Sac: GS)が認められ、周辺にvesicleが見られる。しかし全奇胎でも妊娠初期にGS様エコーが見られ、その後GSの変形、消失という経過をたどる症例があり、部分奇胎や妊娠早期の全奇胎では術前に診断し得ないこともある。
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D. 全奇胎の治療
奇胎の診断がつけば早期に子宮内容除去術を施行する。全奇胎では妊娠週数に比較して子宮が大きく、通常の妊娠中絶とは異なり、大出血などの合併症を起こすことがある。掻爬後に再掻爬を施行することが一般的であり、子宮内に奇胎の残存のないことを確認する。また挙児希望のない高齢者や掻爬により重篤な合併症を起こす可能性の高い症例では子宮摘出を施行する場合もある。
E. 奇胎後続発症
一般的に奇胎掻爬後約10-20%に奇胎後続発症(侵入奇胎、絨毛癌)を認めるとされる。続発症のリスクとしては母体年齢、奇胎妊娠時の子宮の大きさなどが報告されている。このため奇胎娩出後基礎体温の記載、hCGの測定など定期的な奇胎後管理が必要である。
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