EDUCATION & RESEARCH

HOME > EDUCATION & RESEARCH > 千葉県における法昆虫学的に重要な昆虫種の調査

千葉県における法昆虫学的に重要な昆虫種の調査

法昆虫学とは、死肉食性の昆虫やその他の節足動物の生活環や昆虫相の遷移から、主に死後経過時間の推定を目的とする分野です。海外では法昆虫学的所見が捜査に利用され、裁判での証拠としても採用されている国もありますが、日本での法昆虫学の認知度は大変低く、研究者も数人しかいません。

法昆虫学は地域の風土による差が大きく、その土地にあった研究をして知識を蓄積することが求められています。千葉県においては、出現する昆虫種やその季節についての調査は全く行われておらず、まずは現状を把握することが必要です。

現在は法医解剖時に採集した幼若な個体(双翅目、鞘翅目の卵や幼虫など)を飼育し、成虫で乾燥標本を製作し昆虫種の同定を行っています。Lucilia sericata(ヒロズキンバエ)、Liopygia crassipalpis(シリアカニクバエ)など昆虫の一部は、管理環境下で継代飼育を行っています。今後、昆虫に対する薬物暴露の研究などに用いる予定です。

担当者:浦邉朱鞠