今年の産業衛生学会での産業疫学研究会自由集会は、
5月15日(水)17:10〜18:40 ひめぎんホール 第11会場(第14会議室)にて開催されます。
演題は、
印刷労働者にみられる胆管癌発症の疫学的解明と倫理
演者 圓藤吟史(大阪市大・院医・産業医学)
座長 諏訪園靖(千葉大・院医・環境労働衛生学)
昨年の本学会で、オフセット校正印刷会社(A社)の元従業員から5例の胆管癌が発生しているとの報告があり、その後、厚生労働科学特別研究「印刷労働者にみられる胆管癌発症の疫学的解明と原因追究」として、労働衛生実態調査や対策に関与した。この事例での疫学研究に、必要な情報は何か、保護すべき事柄は何か、必要な条件・手続きは何か、考えさせられた。下記について会員各位の見解をお聞きしたい。
• 特定の業務と胆管がん発症の関連性を明らかにする。主な研究の研究デザインはA社の従業員を対象として後ろ向きコホート研究である。対象者データとして、A社の現・元従業員の氏名、性、生年月日、勤務歴、業務歴が必要である。
• 現従業員のデータはA社が保有している。このデータの提供を受けることができるか。そのために必要な条件は何か。元従業員については、A社は退職時点でのデータを保有している。そのデータの提供についても同じか。
• 厚生労働省・大阪労働局・労働基準監督署は必要な調査を行っている。その中には、現・元従業員のデータも含まれる。行政が集めたデータの提供を受けるために必要な手続きは何か。
• 胆管がんに発症した人は労災申請をしている。厚生労働省は労災申請された方の診療記録を収集している。目的外利用でなくそのデータの提供を受けることができるか。
• このコホートにおける死亡死因情報、胆管がんおよび胆管がん以外での罹患状況を明らかにする必要がある。厚生労働省は収集しているか。
• していないとしたら大阪府がん登録はデータを収集している。いつまでのデータが収集されているか。がん登録との照合のための必要条件は何か。
• 胆管がん発症者については、カルテにあたり、診断根拠を明確にするとともに、臨床経過、疾病の特徴を明らかにする必要がある。労災審査のために集められた資料を研究目的に閲覧してよいか。そのための必要条件は何か。
• 臨床データを研究目的に使用する際、主治医、病理医等との共同研究となるのか。
• A社以外の調査はどのようにするのか。
• 報道が行う取材活動に対する守秘義務は何か。
多くの会員の先生方のご出席をお待ちしております!