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Crow-Fukase(POEMS)症候群は、末梢神経障害、肝脾腫、内分泌障害、浮腫、胸腹水等の多彩な症状をきたす疾患です。Crow-Fukase症候群の原因は恐らく単クローン性に増殖した形質細胞であると想定されています。そのため、同様の形質細胞性腫瘍である骨髄腫治療薬が有効な可能性があります。しかし、 Crow-Fukase症候群は非常に患者数の少ない疾患です。そのため、本症候群における骨髄腫治療薬の有効性・安全性の厳密な証明はなく、もちろん保険適応もありません。そこで、 骨髄腫治療薬であるサリドマイドのCrow-Fukase症候群における有効性と安全性を証明し正式に適応を取得するための治験を、私たちは行っています。

私達が現在運営している治験は2つあります。1つ目は、長期(1年半~)にわたりサリドマイドの内服のみでCrow-Fukase症候群を治療する治験(長期投与試験)です。若年から高齢の方まで広くご参加頂ける治験です。2つ目は、末梢血幹細胞移植治療の前に、サリドマイドを短期間(6ヶ月)投与し、移植をより安全かつ有効に行うための治験です(移植前投与試験。2013年7月開始予定)。こちらの治験は移植の行える65歳以下の患者さんを対象としています。

骨髄腫領域では、サリドマイドの次世代の薬剤が次々と承認されています。しかし、Crow-Fukase症候群において病態の中心的な役割を果たしている血管内皮増殖因子の抑制作用は、他の薬剤に比しサリドマイドの効果が高いことがわかっています。Crow-Fukase症候群の単クローン性形質細胞は骨髄腫のものよりも増殖速度が遅く、その点でもサリドマイドの緩やかな効果が期待できる可能性があります。私達のこれまでの使用経験の中では、末梢神経障害をはじめとする副作用も少なく、比較的安全かつ有効に本症候群に使用できる薬剤であると考えています。
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