PAHの成因に関しては、いまだ明らかではない。しかしながら、PAHには、家族性に発症する例があり、約6%とされる。最近原因遺伝子の同定が進み、染色体2q33に存在することが報告された。さらなる検討で、bone morphogenetic protein receptor type II(BMPRII)の遺伝子異常によることが発見された。これは、家族性PPH(FPAH)の50-100%、孤発性のPPH(IPAH)の約25%において陽性とされる。しかしながら、本遺伝子異常を持っていても、PAHを発症する症例は10-20%に過ぎず、環境要因などの何らかのトリガーや他の遺伝子要因が加わって発症すると考えられる。さらに、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)に伴う肺高血圧症では、ALK-1(Activin receptor-Like Kinase1)の遺伝子異常が見いだされ、ともに、transforminggrowth factorβ(TGF-β)伝達系の障害との関連が示唆されてきている。
他の病因解明の進歩について、以下に列挙する。