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平成16年 千葉大学卒業
関連病院を経て 平成21年 千葉大学大学院へ入学
私は、臨床研修必修化となって初めての初期研修医として2年間の研修を行いました。
様々な科をローテートし、魅力的な先生や興味ある疾患を多く勉強することができましたが、泌尿器科を専門にしようと志し、3年目より千葉大学医学部附属病院泌尿器科に入局(後期研修プログラム)しました。
初期研修医の時期は自分もそうでしたが、「どの科を専門とするか」ということはとても悩み深いことだと思います。
魅力的な先生がいる、高度な医療設備が揃っている、忙しいけど充実している、または肉体的・時間的にも余裕がある等々…。
人それぞれ価値観も違うし、同じ科であっても地域や施設によって行われている診療は違うというのが現実です。
つまり、どこで研修しても、勉強になることは山ほどあるし、それだけ医療という分野は奥が深く、無駄な時期などありません。
日本は諸外国に比べ一足早く超高齢化社会に突入しようとしています。
今後診療を行っていくうえで「高齢者に対する医療」というテーマはとても大きな分野です。
泌尿器科は疾患の特色としてもそうですが、高齢者を対象とすることが多く、内科的にも外科的にもアプローチできる、そんな魅力があります。
さらに、現在では手術手技に関しても様々な治療アプローチがあり、治療適応を考え外科系診療科としての役割はとても大きく、生涯をかけて専門とすることに決めてよかったなと思います。
私は、医師という職業を選択し日々の診療を行っていて、辛く悩むこともありますが、泌尿器科医として働くことで「違う科を選択すればよかったかなぁ?」と後悔したことは一度もありません。
むしろ泌尿器科を専門としてまだまだ半人前の自分でさえ活躍することができる場面がたくさんあり、泌尿器科を選択してよかったなと思うことが多いのが現実です。
同じ志を持ち、泌尿器科医として、一緒に千葉大学で頑張ろう!!!
平成18年 千葉大学卒業
平成19年 千葉大学医学部附属病院
ベスト研修医賞 受賞
私が泌尿器科を選んだ理由、それは最初から最後まで一人の患者さんを一貫して診られることに尽きます。
初期研修で様々な科をローテートし、泌尿器科の自己完結性、独立性の高さに非常に深い感銘を受けました。
また、一つの疾患に対して数多くの治療アプローチが存在し、適応を考えそれらを駆使できることにとても魅力を感じ、泌尿器科を生涯の専門にしようと志しました。
私は、初期研修の自由選択期間と後期研修の3年目を千葉大学医学部附属病院泌尿器科で過ごしました。
スーパーローテート世代では、市中病院での研修が主流となり大学病院での研修にあまりいい印象を持っていない研修医や医学生は多いかと思います。正直、私自身もそのうちの一人でした。
入局予定の研修医は私一人のみ、頼れる同期は誰もいない状況。「雑用ばかりでまともな臨床経験は積めないんじゃないか、早く大学病院から脱出する算段を…」と考えていました。
しかし、実際に研修を始めて見ると、その不安はいい意味で裏切られました。
温かく、時に熱く指導して下さる諸先生方の存在は、一人っ子研修医であった私の寂しさを吹き飛ばして下さりました。
また、市中病院に決して引けを取らない働き者の揃った病棟や外来の看護師さん、阿吽の呼吸で仕事ができる泌尿器科専門の放射線技師さんと、幸いにも大学病院泌尿器科に関わるスタッフは不思議といい人ばかり。
「居心地が良く、仕事がしやすい」という環境は研修医にとって非常に大切であり、とても充実した日々が過ごせました。
「仕事してて毎日が楽しくてしょうがないよ」と、ローテートの研修医の先生や医学部生に伝えた言葉は勧誘用の建前ではなく、嘘偽りない気持ちでした。
大学で研修することの意義は、大学病院ならではの豊富な人材、それに裏打ちされた診療レベルの高さにあると思います。
また、大学病院が最後の門番として果たしている地域医療に対する責務や、将来の泌尿器科診療を見据えた先端医療や臨床研究を垣間見ることができたのも、更なる自己研鑚の意欲を刺激されました。
自分の眼に映る患者さんから、自分には未だ微かにしか見えないハイレベルな世界まで診ることができる環境は、大学病院の良さであると思います。
臨床研修必修化以降、泌尿器科を志す研修医や医学生は激減していると聞いております。
しかしながら、泌尿器科の扱う領域には深く極める「匠としての愉しさ」があり、無限の可能性が広がっています。
志を同じくし、泌尿器科診療の更なる発展を目指す仲間がより多く、ここ千葉大学に集うことを切に願っています。
共に、常により高きものを目指して。
平成19年 千葉大学卒業
平成21年 後期研修医として千葉大学泌尿器科へ入局
ここでは泌尿器科に少しでも興味のある医学生、初期研修医のみなさんに伝えたいことを書きたいと思います。
●なぜ泌尿器科?
泌尿器科は後腹膜・骨盤を専門領域とする外科です。
そして、それに相当する内科がないことからわかるように、内科的管理が必要になることもあります。
外科的管理、内科的管理の両面からのバランス感覚が必要とされます。
いわゆるマイナー外科といわれる分野に共通することではありますが、泌尿器科疾患は泌尿器科内で完結することができます。
つまり、診断から治療、その後のフォローアップまで、すべて自分でできるということになります。
一人の患者さんを最初から最後まで見られるということです。
また、泌尿器科の中で頻度の高い悪性腫瘍は前立腺癌ですが、現在も増加の一途をたどっており、今後も増加が予測されます
。排尿障害についてもこれからの高齢社会において必ず必要とされる分野です。
後腹膜・骨盤という臓器を扱うことや尿路変更術では腸管を利用することもあり、いわゆるマイナー外科とは言えないほど多岐に渡る手術があることも魅力の一つです。
●千葉大学泌尿器科について
千葉大学泌尿器科の後期研修では最初1年間は大学病院で基礎的事項を学び、2年目以降外病院研修となります。
大学病院での研修については別項を参照してください。
千葉県は首都圏にあるにもかかわらず、医師が少ないです。
すなわち一人の医師あたりの症例数に恵まれているとも言えます。
そんな千葉県を擁するのが千葉大学泌尿器科です。
多くの患者さんに出会える、多くの患者さんから学べるのは外科医にとって必要不可欠と言われます。
千葉大学病院ならびに関連病院で泌尿器科医として働いて来られた先輩方は多くの臨床経験を持った方が多く、またアカデミックな面でも世界的に有名な先生方も多数おられます。
首都圏にありながら多くの患者さんから学べる、優秀な先輩方から多岐に渡る分野を学べる、というのが一番の魅力だと思います。