疾患と治療

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胃痩造設術

 脳神経系疾患や他の原因によって嚥下困難を生じ、口から食べ物を取れなくなった方を対象に行います。胃瘻とはからだの表面から胃の中に直接通じる穴のことで、この穴を通じて栄養剤の注入を行います。現在多くの施設で行われていますが、当科においても主に内視鏡を用いた胃瘻造設術( percutaneous endoscopic gastrostomy ; PEG )を行っています。

 造設は内視鏡室にて行います。局所麻酔薬と必要に応じて鎮静剤を併用し、約 15 分程度で終了します。

 次に一般的な適応と禁忌を提示します。(参考文献:消化器内視鏡ガイドライン)

一般的な適応

  1. 脳血管障害、神経筋疾患などのため、自発的に摂食できない例
  2. 誤嚥性肺炎を繰り返す例
  3. 減圧目的
  4. その他の特殊治療

禁忌、不可能、または困難例

  1. 内視鏡が通過できない咽頭食道狭窄。
  2. 胃手術の既往。
  3. 胃癌や胃潰瘍の急性期など。
  4. 極度の肥満、大量の腹水貯留。
  5. 高度の出血傾向。
  6. 全身状態不良例。
  7. 生命予後(手術後の経過)が 1 、 2 ヶ月以内。

 以上のような困難例でも場合によっては胃瘻造設を行いますので一度ご相談ください。(但し合併症を併発する危険性は高くなることが考えられます。)

おもな合併症について

  1. 出血:胃瘻造設時、腹壁や胃の栄養血管を損傷した場合に起こります。
  2. 腹膜炎:造設直後、患者様ご自身が胃瘻チューブを誤って抜いてしまった場合、消化液が腹腔内に漏れて起こります。
  3. 創感染:挿入部に細菌がついて起こります。糖尿病の方や免疫力が低下している例では発生頻度が高くなります。予防として抗生剤の投与を行っています。

 重篤な合併症として特に注意が必要なのは出血や腹膜炎などで、緊急の開腹手術を要することがあります。

胃瘻造設後

 瘻孔が完全に形成されるまでに約 2 週間を要します。胃瘻が完成すると消毒の必要はなくなり、入浴も可能です。老朽化の程度にもよりますが、一般的に 6 ヶ月ごとのチューブ交換が必要です。(胃瘻チューブには腹壁から突出しないボタン型のものもあります。)