千葉大学大学院医学研究院
呼吸器内科学
千葉大学病院
呼吸器内科
千葉医療センターは実は明治時代から続く古い歴史を持った病院です。昭和20年に前身である国立千葉病院となり、平成16年から国立病院機構となり現在に至っています。
呼吸器内科の関連病院としていままで多くの先生方がスタッフとしてまた研修医として当病院で勤務されてきました。以前勤務された先生方はご記憶されていると思いますが、病院の建物はかなり老朽化しておりました。病室は狭く処置をするにも同室患者さんのベッドを動かさなければならず、医局は光が入らず昼でもなお薄暗く、勤務室の天井・壁には配管がむき出しになっておりあたかも潜水艦の艦内のような有様でした。千葉駅から車で5分程度と立地は悪くないのですが、椿森の住宅地内にある低層階の病院で目立たないため、地元の千葉市民ですらどこにあるのか知られていない病院でした。
国立病院機構という体制に変わり、平成22年になり念願の新病院が竣工しました。
白い8階建ての建物で遠くからも一目でわかるようになり、病室、勤務室も明るく開放的で職員にとっても仕事がしやすくなり、患者さんにも好評です。
当院は、地域医療支援病院 および 地域がん診療連携拠点病院としての役割があり、呼吸器内科としては紹介患者さん、急性期患者さんの受け入れと肺がん診療に重点を置いています。新病院になりICUが増床となり、人工呼吸管理などが必要な患者さんもICUで安心して管理できるようになりました。また当院は心臓血管外科から精神科まで擁する総合病院であり必要に応じ他診療科と連携することで多彩な疾患にも対応することが可能です。
肺がん診療に関しては、新病院開設とともに待望の呼吸器外科が新設されました。現在同じ病棟で呼吸器外科と密接に連携しながら検査・診療を行なっております。以前より放射線治療部、緩和チームがあり他部門と連携し、化学療法、外科治療、放射線治療、緩和治療と一通りの肺がん診療ができる体制となっています。また、がん以外でもVATSや開胸での肺・胸膜生検も積極的に行えるようになり診断精度を高める事ができるようになりました。
現在も当院の呼吸器内科は5名のスタッフで診療を行なっています。近年肺がん患者さんの数が増加し慢性的なベッド不足を来たしており、地元の急性期の患者さんの受け入れができない事が増えており今後改善が必要かと考えています。
江渡 秀紀