千葉大学大学院医学研究院
呼吸器内科学
千葉大学病院
呼吸器内科
当院は東葛南部地域(船橋、市川、浦安、八千代、習志野、鎌ヶ谷各市、人口約160万人)の三次救急病院/癌拠点病院としての役割を担っています。なお、この2年間に引き続き平成26年度からもDPCⅡ群の病院を維持しております。
呼吸器内科としても癌拠点病院/三次救急病院の性格を反映した疾患群を扱っています。年間入院総患者数は呼吸器内科としては、ここ数年、約1100~1200名であり(当院では気管支鏡検査はよほどのことが無い限り外来で施行しており、検査入院患者はこの人数に含まれておりません)、疾患別内訳としては、基本的には癌拠点病院の性格を比較的強く受け、肺癌をはじめとする悪性疾患の入院患者が80%弱を占めています(肺癌:70%台前半、悪性胸膜中皮腫:数%)。三次救急病院の性格としての呼吸器疾患には、呼吸不全、重症肺炎、気胸、気管支喘息、肺血栓塞栓症などが挙げられます。一方、外来では、比較的疾患の偏りがなく、多彩な疾患を診ており、若手の先生には呼吸器内科医として十分な研修を積めるものと考えております。
検査に関してですが、気管支鏡分野では、通常検査に加え、EBUS-TBNA、EBUS-GS法、BF-naviも導入し十分な気管支鏡手技の修練も行える体制を確立しています。
今年度より同門の平野聡先生が当院の腫瘍内科部長として赴任され、主に肺癌/縱隔腫瘍/原発不明癌を扱われ、呼吸器内科と共に協力体制をとって診療・検査にあたっています。
また、当院の懸案事項の一つであった放射線治療の常勤医(私の大学時代の同級生です)も本年度途中より確保でき、呼吸器内科医にとって治療の重要な領域である胸部照射・全脳照射・骨への照射等をスムーズに行えるようになっております。
上記のように診療科の充実により、昨年度までは呼吸器領域のカンファレンスは呼吸器内科と呼吸器外科とでの週1回の定期カンファレンスでしたが、本年度は呼吸器内科と呼吸器外科、腫瘍内科、放射線科の計4科で週1回の定期カンファレンス(肺癌キャンサーボード)ができる体制になりました。もちろん、定期外でも連携を密にとっていますので、肺癌症例の治療方針決定や、気胸・悪性胸膜中皮腫のVATSの適応決定、緊急照射の適応の検討などもスムーズに行え、集学的治療ができる体制で診療にあたっております。
中村 祐之