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(福)聖隷福祉事業団 聖隷横浜病院

 当院では年に4回、患者さんや地域向けに広報誌を発行しております。2013年7月号に当科と呼吸器外科、放射線科の合同カンファの記事が掲載されたので、今回はこちらをご紹介いたします。


病院では、さまざまな場面で、チーム医療が行われています。
それは、各診療科、専門職が連携し、診断や治療にあたることで、患者さんにとってより安全、安心な医療を行うことができるからです。
今回は、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線診断科の3科合同カンファレンスを紹介します。3科がチームとなってカンファレンスを行うことで、どのような効果があるのか、インタビューしました。

広報委員:
呼吸器内科、呼吸器外科、放射線診断科による合同カンファレンスは、どのような経緯でスタートしたのですか?

呼吸器内科 永川先生:
開院当初は毎週月曜日に呼吸器内科のみでカンファレンスを行っておりました。その後、2005年頃より放射線診断科と月に一度の画像カンファレンスを開始しました。2008年には呼吸器外科が新設され、内科から外科への紹介に際し、さらに頻繁にカンファレンスを行う必要があるということで、毎週月曜日に3科合同のカンファレンスに拡大しました。現在は画像だけではなく、各種臨床情報を踏まえ治療方針などを決定する会となっております。

広報委員:
各診療科の役割やカンファレンスを行うことでの患者さんへのメリットは何ですか?

呼吸器内科 小西先生:
呼吸器内科としては、診断や方針に悩む症例があったら、積極的にカンファレンスに提示することが第一の役割だと思います。
例えば肺癌であれば、診断のための外科的な検査や、治療としての手術を考えられるかどうかをあらかじめ検討できます。
診断に難渋する間質性肺炎では、CT検査結果に内科的な臨床情報を提示することで、より絞り込むことができ、外科的な検査を行うべきかどうかも相談できます。
その結果を説明することで、患者さんにとって、多くの医師の判断であるという安心感を与えられると同時に、効率よく他の科を受診できるため、今後の方針も素早く決めていけるメリットがあると考えられます。

呼吸器外科 大内先生:
3つの診療科医師が、直接症例毎の話し合いが出来ることで、病状、状態の把握などが行いやすくなっています。呼吸器内科からの手術目的で紹介される方の治療方針が、当科の1人の医師のみの決定ではなく、事前に治療方針などが様々な意見や医学的見地の集約となっているため説明しやすく、その後の治療に結び付いていると思われます。また、このカンファレンスのため逆紹介患者も行いやすく、当科通院中の方の治療方針やその後の治療の相談の場となっています。
放射線診断科とも手術直前に、手術部位・範囲の確認や相談を行っています。特に間質性肺炎の胸腔鏡下生検では有効な方法を取っています。

放射線診断科 新美先生:
呼吸器疾患の診断や治療は、患者さんの症状や経過、血液検査、レントゲンなどの基本的評価に加えて、CTを主とする高度な画像診断や、患者さん個別の外科治療の適応判断などを加えることにより、より正確で詳しい評価が可能になります。従って、呼吸器内科医と呼吸器外科医、放射線科医が、患者さんの疾病や状態に関するあらゆる情報を同時に共有でき、率直な意見交換が可能なカンファレンスの場は、各科の医師にとって極めて有益であるのみならず、最終的には患者さんにとって合理的で有益性の高い判断が得られる重要なプロセスになると考えています。

カンファ風景です

以上です。2014年の1月からは、病理診断医の先生も加わり、本格的なC(Clinical).R(Radiological).
P(Pathological).カンファに発展しました。
今後ともよろしくお願いします。

永川 博康