千葉大学大学院医学研究院
呼吸器内科学
千葉大学病院
呼吸器内科
東京都立多摩総合医療センター(旧 東京都立府中病院)
東京都立多摩総合医療センターは、旧都立府中病院から全面移転にて開設された比較的新しい病院です。都立小児総合医療センターが一体(同じ建物)として開設され、両病院を合わせて、1350床という大規模な病院として2010年3月新たに出発しました。当院の重点医療は、救急医療、がん医療、周産期医療ですが、それらを支える総合診療をも強化しており、ほぼ全ての診療を網羅しております。救急医療では、救命救急センター、東京ER多摩総合を有し、がん医療では、がん診療拠点病院として、緩和医療やがん相談支援にも積極的に取り組んでいます。また周産期医療は、小児総合医療センターのNICU・GCU 部門と一体となり、総合周産期センターも有しています。内科部門では総合診療を行う総合内科部門が設立され、呼吸器内科も連携して診療しています。外来化学療法センターも拡充され、毎月700-800件の化学療法を施行しています。化療センターでは全科合同当番制を敷いており呼吸器内科も週1日対応しています。呼吸器内科医師は、常勤6名・常勤的非常勤1名(途中退職)、シニアレジデントは呼吸器専従5名+ローテーション1-3名、ジュニアレジデントローテーション1-2名と、常時14名前後のスタッフで診療に当たっています。
一般病棟は呼吸器外科と共通フロアを中心に50床、結核病棟は48床となっています。入退院患者数は、2013年度は3/10時点で1656人、外来は一日平均70人となっています。総合内科部門設立にて患者数がやや減少していますが、Critical Careは多く、当院では3次救急におえる救命救急センターも当該科担当制としており、年間人工呼吸管理は70件、NPPV装着例も70件前後となっています。ERや3次救急からの緊急入院が多く年間緊急入院患者数は約700件であり、ベッド満床で他院に転送しているケースもあります。
外来は結核・HIV・肺癌セカンドオピニオン・IP・サルコイドーシス外来などの専門外来も設置しています。診療の基本ベースに病診連携を積極的に取り入れており、連携医師との勉強会も積極的に開催しています。
内視鏡は、気管支鏡総数で年間790件、EBUS-TBNAは2010年には導入・3年経過し2013年度は4月~2月までで81件、局所麻酔胸腔鏡は43件施行しました。細径・極細径気管支鏡、蛍光気管支鏡(AFI・NBI)も所持し、インターベンションとしてEWSや呼吸器外科と共同してステント・バルーン拡張なども行っています。2014年4月からは念願のEBUS-GSが配備・稼働開始します。
常時入院患者数が80人、医員以下の方の病棟受け持ちは10-14人となっています。シニアレジデントまたはジュニアレジデントの指導をしながら診療に当たることが多いです。昨今では入院期間の短期化に伴い入院のみでは十分な研修ができないため、呼吸器内科ではレジデントであっても入院患者の受け持ちの外来フォローアップを行っています。
カンファレンス等も多く、呼吸器内科カンファレンス、呼吸器外科・放射線科合同チェストカンファレンス、肺癌カンファレンス、多職種合同結核カンファレンス、リウマチ膠原病科合同カンファレンス、ICT回診、RCT回診、総合内科カンファレンスを行っています。院内の勉強会も非常に多く、呼吸器内科での毎週金曜朝の抄読会・ミニレクチャーをはじめ、研修医向け勉強会(画像カンファ・ERカンファ)、呼吸器内科も定期的に担当する内科系シニアレジデント中心としたアカデミーカンファ、院内MorningJournalClub、CPC(年の半数は呼吸器内科症例)、キャンサーボード、海外・国内問わず総合内科・感染症等の著名なDrによる講演会(Joel Branch先生他)(ほぼ毎月)、感染管理・医療安全など多数の院内研修会など、ほぼ毎日カンファレンス等が開催されています。多摩地区や都立病院同士での他院との合同の画像研究会も行っており、診療の繁忙度が高く全ては参加できない状況ですが、勉強する意味では非常に充実した環境となっています。
2013年学会発表20演題、研究会等の発表17演題、論文・著書6件となっています。東京都予算での院内臨床研究なども行っています。
昭和50年代より旧都立府中病院時代を含め、同門の先生方のご尽力と大学の手厚い支援にて多数の同門医師を派遣して頂けています。2013年度は同門の高森幹雄、和田曉彦、村田研吾、北園美弥子、佐々木茜の5人、東京都シニアレジデント出身医師1名、呼吸器専従シニアレジデント5名の体制でした。2013年中に千葉大学出身の呼吸器専従シニアレジデントの大橋佳奈が入局しています。
初期研修・後期研修含め非常に魅力溢れる病院となっています。今後もご支援にこたえられるように診療・研修教育・臨床研究を継続していく所存です。
高森 幹雄