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(独)労働者健康福祉機構 東京労災病院

 2013年4月から廣田先生に代わり、横江絢子先生が公立昭和病院での2年間の初期研修を終え、当科に赴任しました。また、9月には中部労災病院から高村智恵先生が赴任し、5名体制で診療を行っています。才色兼備の女性医師が2名加わり、今まで男性しかいなかった呼吸器内科が急に華やかになったと他の診療科の先生たちから羨ましがられています。

 当院は病床数400で呼吸器内科の入院患者数は35~40名、2012年度の総退院患者数は700名でした。疾患の内訳では、肺がん272名、肺炎211名、COPD 66名、間質性肺疾患40名、気管支喘息31名などどなっています。死亡退院数は76名でした。

 内科全体の抄読会やカンファレンスも毎週行われていますが、呼吸器内科としてのカンファレンスは月曜日夕方、勉強会は火曜日夕方、呼吸器外科とのカンファレンスは木曜日夕方に行っています。

 当科の特徴的行事として、毎朝7時45分からの全員での回診があります。入院患者全員を皆で回診し、患者情報を共有します。これは患者さんを安心させる効果があり、治療方針を確認することもできます。われわれ5人のチームワークの良さも朝の回診により育まれます。
 気管支鏡検査は月木ですが、最近は件数が増加し、それ以外の曜日に臨時で行う場合も増えてきました。超音波内視鏡はできませんが、末梢の病変に対してはガイドシースを用いたアプローチも行っています。

 当院は労災病院という性格上、アスベスト関連疾患での紹介患者や健診患者が多いのですが、一般の肺がん患者の中にかなりの割合で胸膜プラークを有する人、すなわち石綿曝露歴がある人が多いことに注目しています。患者さんにとって有益な社会的サポートを提供できるようにすることもわれわれの重要な使命だと考えています。

 2013年は首都大学東京との共同研究で、マイクロ波レーダーを用いた呼吸状態の解析を睡眠時無呼吸症候群の患者さんを対象に行いました。この方法が実用化されれば、ベッドのマットレスの下にレーダー装置を置くだけで、無呼吸の状態を計測できるようになるという画期的な研究です。

 一般病院の呼吸器内科にはどうしても高齢者の肺炎患者が集まってきます。中には心不全を合併していたり、尿路感染症など他の感染巣があったりして単純ではない症例もありますが、地域の開業医や病院からの紹介は極力受けるようにしています。忙しくてもお互いに助け合うというチームワークの良さは、どの診療科よりもすぐれていると自負しています。

戸島 洋一

前列左から、酒井、戸島、河野、後列左から、高村、横江