肝胆膵外科

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膵頭十二指腸切除術(Whipple procedure)標準治療例の有効性、安全性に対する国際基準作成

現在、肝胆膵外科では、「膵頭十二指腸切除術(Whipple procedure)標準治療例の有効性、安全性に対する国際基準作成」に関する研究を行っています。今後の治療に役立てることを目的に、この研究では当院で2013年1月から2015年12月までに膵頭十二指腸切除術を施行された患者様の診療情報などを利用させて頂きます。診療情報などがこの研究で何のために、どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は、下記の窓口にご連絡ください。

2017年10月1日

1.研究課題名 「膵頭十二指腸切除術(Whipple procedure)標準治療例の有効性、安全性に対する国際基準作成」
2.研究の意義・目的

膵頭十二指腸切除術は膵臓の腫瘍や胆管の腫瘍に対して行われる手術でありますが、難しい手術の一つであり、手術後の合併症は60%の患者さんに発生すると言われており、また、手術後の合併症でお亡くなりになる方も依然、1−2%をかぞえる手術です。当院では、日本の中でもこの手術を数多く手がけている施設の一つであります。
最近、いろいろな産業ではその分野でトップの施設の成績をまとめ、これと比較することで自分の施設においての問題点を洗い出し、これを改善することで自己改革に結びつける手法(これをベンチマーキングと言います)が行われるようになりました。しかし、外科をはじめ、医療の業界ではまだまだこのような方法が十分には浸透していないのが現状です。
そこで、本研究ではヨーロッパ、アメリカ、アジアの本手術を数多くこなしている施設が集まって、これまでのこの手術の結果、合併症(手術後の不具合)、死亡率を調べ、国際基準を作成することを目的に行われています。
このような研究で基準が作成されれば、世界中のこの手術を行う病院においてどのような部分が基準からずれており、どのような部分を改善していく必要があるかを判断する非常に有効な指標になると考えられます。そして、その結果、日本のみならず、世界中でこの手術が安全に行われるようになると考えられます。

3.研究の方法

20013年1月から2015年12月までに当院において膵臓や胆道の腫瘍、炎症性の病気に対して膵頭十二指腸切除術を行った患者様の手術前治療、手術方法、合併症の発生率、経過、手術後の再発有無、現在の状況などを調べ、これをもとに解析して、それぞれの項目別の国際基準を作成します。その結果は学術学会や学術雑誌を通して発表される一方、ホームページを介しても発表されます。ただし、この基準の作成においてはそのデータを参照させていただいた患者様の個々のデータが発表されることはなく、すべての症例を解析した平均値などが公表されるのみですので、患者様個人のデータが特定されることは決してありません。

4.個人情報の取り扱いについて

本研究で得られた個人情報は、匿名化して管理し外部に洩れることのないように厳重に管理します。研究成果の発表にあたっては、患者さんの氏名などは一切公表しないこととします。データ等は、千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学教室の鍵のかかる棚で保管します。

5.外部への試料・情報の提供

当院で集められた患者様のデータは匿名化を行い、どの患者様のデータか分からないようにした上で、インターネットを通して本研究を主導しているスイス チューリッヒ大学病院に集められ、そこで解析が行われます。研究の方法の項にも記載したように、個々の患者様の名前や個人データが特定できる形で集められることはありません。

6.研究組織

本研究は スイス チューリッヒ大学病院を中心に行われます。ヨーロッパ、アメリカ、アジアから多数の病院などの施設が参加する予定です。その参加施設の詳細や研究方法の詳細については以下のホームページを参照してください(英語)。もし、不明な点などがあれば、下記連絡先にお問い合わせください。

WhippleBenchmark.org (http://whipplebenchmarks.org/)

7.研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について

ご協力頂けない場合には、原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので、下記の窓口にご遠慮なくお申し出ください。

文部科学省・厚生労働省による「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています。

研究実施機関

千葉大学医学部附属病院 肝胆膵外科
千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学

本件のお問合せ先

千葉大学医学部附属病院 肝胆膵外科
医師 大塚将之、吉富秀幸
043(222)7171 内線5282

研究代表機関

スイス チューリッヒ大学病院

研究代表者

Pierre-Alain Clavien
Michelle de Oliveira