日本において研究に従事する医師が年々減少しています。世間では、地域医療を中心として医師不足による医療崩壊が注目され、マスコミにも頻繁に取り上げられますが、日本の医療を長いスパンで見ると、研究医の不足は非常に大きな問題となります。日本の医療水準は世界的に見ても非常に高いレベルにあり、過去数十年間世界一の長寿社会の維持に貢献してきました。それは今までの卒業生が、大学において優れた医学教育を受け、卒業後も医学研究に従事し、それらを臨床現場で実践してきたことに他ならないと思います。欧米に比して比較的多くの医師が研究・教育に携わってきたことが、日本の医学・医療の特徴であり、強みのひとつでありました。しかしながら、平成16年度に導入された新たな医師研修制度と国立大学の法人化により、医学部卒業生の大学離れが進んで、基礎系では医系教員が減少し、臨床系でも医学研究に割く時間が非常に減少しています。この状況が続くと日本の医学研究および医学教育のレベルが低下し、結果的に20年後には日本の医療水準がかなり低下することも危惧されます。
現在の医学生諸君が医学研究に興味を失ったとは考えていません。我々大学に籍を置くものが、一刻も早く医学研究を行う環境や体制を整備しなければならないと思っております。医療の専門分化、医療技術の高度化が進み、それらの習得に非常に時間を要するようになったのも事実ですが、医師個人の医療技術が向上しても、それで医学が進歩するものではありません。やはり、研究医が先頭に立って医学研究を遂行し、医学教育に積極的に関わって、日本の高い医療レベルを維持する必要があると考えます。東京大学を中心とした研究医養成コンソーシアムは、このような現状認識の下に、関東4大学が協力して研究医養成のための環境づくりを始めるという目的で構築されました。医学研究に興味のある学生諸君は積極的にこのコンソーシアムに参画し、未来の日本の医学を支える研究医を目指して頂きたいと思っております。
千葉大学医学研究院長・医学部長
中谷 晴昭
概要
千葉大学医学部では、卒業時到達目標Y「科学的探求」を達成するためのカリキュラムとして、6年一貫の「スカラーシッププログラム」を平成20年度より導入しました。スカラーシッププログラムは、1,2年次のベーシック、3,4年次のアプライドおよび5,6年次のアドバンスと(選択)より構成されています。スカラーシッププログラムでは、到達目標V「医学、医療、保健、社会への貢献」および到達目標W「コミュニケーション技能」についても学びます。

【日程】平成23年8月17日(水)〜18日(木)
【場所】生命の森リゾート



