千葉大学医学部の使命とアウトカム
千葉大学医学部の使命(ミッション)
千葉大学医学部は,人類の健康と福祉に貢献すると共に次世代を担う有能な医療人・研究者を育成し,疾病の克服と生命現象の解明に向けて挑戦を続けます。
この使命(ミッション)は、千葉医科大学初代学長 三輪徳寛の教えである「獅胆鷹目行以女子」によって達成されます。
千葉大学医学部学生の学習成果(アウトカム)
千葉大学医学部では、次に掲げる目標を卒業時に達成するための教育を行っています。
千葉大学医学部の学生は,卒業時に
- 医学的知識・技能を理論と根拠に基づいて応用し,適切な判断と医療が実践でき,生涯にわたり自らの能力を向上させることができる。
- 医療制度を適切に活用し,社会および医療チームの中で医師としての役割を果たし,患者中心の医療を実践できる。
- 科学的情報を批判的に吟味し,新しい発見と創造のための論理的思考と研究を行える。
上記の学習アウトカムは以下のコンピテンスの領域(Ⅰ〜Ⅵ)ごとのコンピテンシー(36項目)により達成されます。
卒業コンピテンスと卒業コンピテンシー
- 倫理観とプロフェッショナリズム
- コミュニケーション
- 医学および関連領域の知識
- 診療の実践
- 疾病予防と健康増進
- 科学的探究
Ⅰ. 倫理観とプロフェッショナリズム
千葉大学医学部学生は,卒業時に
患者とその関係者,医療チームのメンバーを尊重し,責任をもって医療を実践するための態度,倫理感を有して行動できる。そのために,医師としての自己を評価し,生涯にわたり向上を図ることができる。
- 倫理的問題を理解し,倫理的原則に基づいて行動できる。
- 法的責任・規範を遵守する。
- 他者の尊厳を尊重し,利他的,共感的,誠実,正直に対応できる。
- 患者とその関係者の心理・社会的要因と異文化,社会背景に関心を払い,その立場を尊重する。
- 常に自己を評価・管理し,自分の知識,技能,行動に責任を持つことができる。
- 専門職連携を実践できる。
- 自らのキャリアをデザインし,自己主導型学習により常に自己の向上を図ることができる。
- 同僚,後輩に対する指導,助言ができる。
Ⅱ. コミュニケーション
千葉大学医学部学生は,卒業時に
他者を理解し,お互いの立場を尊重した人間関係を構築して,医療の場で適切なコミュニケーションを実践することができる。
- 患者,患者家族,医療チームのメンバーと,個人,文化,社会的背景を踏まえて傾聴,共感,理解,支持的態度を示すコミュニケーションを実践できる。
- 患者,患者家族,医療チームのメンバーとの信頼関係を築き,情報収集・伝達,説明と同意,教育など医療の基本を実践できる。
- 英語により,医学・医療における情報を入手し発信できる。
Ⅲ. 医学および関連領域の知識
千葉大学医学部学生は,卒業時に
医療の基盤となっている以下の基礎,臨床,社会医学等の知識を有し応用できる。
- 正常な構造と機能
- 発達,成長,加齢,死
- 心理,行動
- 病因,構造と機能の異常
- 診断,治療
- 医療安全
- 疫学,予防
- 保健・医療・福祉制度
- 医療経済
Ⅳ. 診療の実践
千葉大学医学部学生は,卒業時に
患者に対して思いやりと敬意を示し,患者個人を尊重した適切で効果的な診療を実施できる。
- 患者の主要な病歴を正確に聴取できる。
- 成人及び小児の身体診察と基本的臨床手技を適切に実施できる。
- 臨床推論により疾患を診断できる。
- 頻度の高い疾患の診断と治療に必要な検査を選択し,結果を解釈できる。
- 頻度の高い疾患の適切な治療計画を立てられる。
- 医療文書を適切に作成し,プレゼンテーションできる。
- Evidence-based medicine (EBM) を活用し,安全な医療を実施できる。
- 病状説明・患者教育に参加できる。
- 診断・治療・全身管理に参加できる。
Ⅴ. 疾病予防と健康増進
千葉大学医学部学生は,卒業時に
保健・医療・福祉の資源を把握・活用し,必要に応じてその改善に努めることができる。
- 保健・医療・福祉に必要な人材・施設を理解し,それらとの連携ができる。
- 健康・福祉に関する問題を評価でき,疾病予防・健康増進の活動に参加できる。
- 地域医療に参加しプライマリケアを実践できる。
- 医療の評価・検証とそれに基づく改善に努めることができる。
Ⅵ. 科学的探究
千葉大学医学部学生は,卒業時に
基礎,臨床,社会医学領域での研究の意義を理解し,科学的情報を評価し,新しい情報を生み出すために論理的・批判的な思考ができる。
- 医学的発見の基礎となる科学的理論と方法論を理解する。
- 科学的研究で明らかになった新しい知見・高度先進医療を説明できる。
- 未知・未解決の臨床的あるいは科学的問題を発見し,解決に取組むことができる。