千葉大学大学院医学研究院
呼吸器病態外科学
千葉大学病院
呼吸器外科
奇形腫は成熟奇形腫、未熟奇形腫、悪性奇形腫に分類されます。上縦隔と前縦隔に好発し、全体の80~90%は良性の奇形腫です。
成熟奇形腫は色々な胚葉由来の成熟した組織から構成される腫瘍で皮膚、髪、歯、気管支、膵組織などが充満しています。その症状は圧迫症状が主ですが、胸腔内、心嚢内、肺内に穿孔すると、発熱、胸痛、呼吸困難などの症状が出現します。
それに対して、悪性奇形腫は浸潤性かつ進行性に増大し、周囲組織への圧迫・浸潤による胸痛や呼吸困難や上大静脈症候群が出現してくる予後不良の疾患です。
治療法は原則として手術による切除が行われます。成熟奇形腫や未熟奇形腫は切除のみで治癒することがほとんどですが、まれに再発することがあります。悪性奇形腫では、その進行度に応じて、手術治療や抗癌化学療法、放射線療法を組み合わせた治療を行います。