治療対象疾患

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良性腫瘍

肺の良性腫瘍は、発生頻度は低いですが、その種類は豊富です。
大部分を過誤腫(約50%を占めます)が占め、そのほかに硬化性血管腫、軟骨腫、脂肪腫、平滑筋腫などがあります。
肺の良性腫瘍は、その発生部位から、気道(気管支)の内腔に発育するもの(中枢発生)と、肺の中に発育するもの(末梢発生)に大きく分類されます。
中枢発生の腫瘍としては、軟骨腫、平滑筋腫などがあります。
末梢発生の腫瘍としては、過誤腫、硬化性血管腫などがあります。

症 状:

気管支の内腔、中枢発生の良性腫瘍は、咳や痰、発熱、胸痛、呼吸困難などの症状を呈することがあります。
末梢発生の良性腫瘍は、ほとんどの場合、自覚症状がありません。
多くの場合、健康診断などで胸部レントゲン写真を撮影した際に、偶然に発見されるものです。

診 断:

気管支内腔に発生するものは、気管支鏡検査(内視鏡検査)で観察し、病巣の細胞を採取し診断可能なものがあります。
末梢発生の良性腫瘍は、胸部レントゲン写真では、単発性の境界明瞭な輪郭を持つ円形の陰影として認められます。
陰影は一つだけで(単発性)、複数認められることはほとんどありません。
しかしながら、診断を確定させることはきわめて困難で、悪性腫瘍である肺癌との区別は、画像(胸部レントゲン写真、CTなど)だけでは困難です。

治 療:

診断と治療をかねて、手術(腫瘍切除、肺楔状切除)が行われます。
多くの場合、胸腔鏡手術(全身麻酔下に施行)の適応で、腫瘍を切除し、手術中の迅速病理検査で良性と診断された場合は、そのまま手術は終了します。
胸腔鏡だけで切除が困難な場合は、開胸術を行う場合もあります。