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病態制御研究部門・病態制御治療学講座は生体防御科学の真実を求めて世界から研究者が集う教室です。
研究テーマ及び授業科目
研究 |
A.寄生体の体内移行経路・臓器特異性・接着機序の解析 |
B.寄生性原虫類ミトコンドリアの多様性 | |
C. 臨床医学分野への応用研究 | |
授業 |
感染生体防御学特論 生体防御機構特論 |
I.研究テーマ
A.寄生体の体内移行経路・臓器特異性・接着機序の解析
寄生体は体内で種々の臓器に播種していくがその詳細な機序は不明である。また、寄生体は臓器特異性を持っていることが多いが、その詳細な機序は不明である。寄生体は種々の生体防御反応による寄生体排除からの回避を戦略としており、人類と数百万年間共存し生き残ってきた。血液あるいはリンパ液を介して全身もしくは特定臓器に寄生体が進入する場合、まず血管・リンパ管内皮細胞に感染することが第一歩であり、多様な臓器微小血管内皮細胞に寄生体が接着することは、寄生体の感染において鍵となる現象である。寄生体が血管内皮細胞に影響を及ぼすことにより、本来漏出しない網膜血管からの血清成分が漏出したり、血管周囲に細胞浸潤をきたす血管炎を起こすことが解明されている。また血管内皮細胞にはさまざまな接着因子が存在し、寄生体進入時に影響を及ぼす。これらの事実から、寄生体と第一の進入経路である血管内皮細胞との相互関係を分子レベルでより詳細に解明することをめざしている。
B.寄生性原虫類ミトコンドリアの多様性
ミトコンドリアは、ほとんどの真核生物においてエネルギー転換の役割を担い、細胞の生存に必須のオルガネラである。近年では、活性酸素の除去、アポトーシスやオートファジーといった細胞の生死を調整する重要な機能をミトコンドリアが制御していることがわかってきている。また、ミトコンドリアは細菌の共生が起源とされており、細菌由来のゲノム(mtゲノム)が残存する。C. 臨床医学分野への応用研究
以上の基礎的研究を基に、臨床医学分野への応用研究として、先天性トキソプラズマ症、後天性トキソプラズマ症(臓器移植、エイズにおける日和見トキソプラズマ脳炎)、自己免疫疾患、Vogt-Koyanagi-Harada病、自己免疫性および感染性ブドウ膜炎、寄生虫感染症の診断、治療、分子疫学などの研究を進めている。
II.授業科目
1.感染生体防御学特論
- 宿主ー寄生体関係と生体防御機構
- 免疫遺伝統御機構とワクチン開発
- 眼科感染学・アレルギー学
- 新興・再興感染症と熱帯医学
2. 生体防御機構特論
- 抗原提示機序の解析
- 自己免疫疾患誘導機序の解析
- アレルギー発症機序の解析
- 腫瘍と感染体相互作用の解析