研究紹介・研究成果

千葉大学大学院医学研究院の平沢累 特任助教らの研究チームは、船橋整形外科病院の老沼和弘院長らと共同で、人工股関節全置換術(THA)で用いる太ももの骨(大腿骨)のインプラント部分 (ステム)の形状や素材が、術後早期に起こりやすい人工股関節周囲の骨折(POPFF)にどのような影響を及ぼすかを研究しました。その結果、ハイドロキシアパタイト(HA) という素材で特殊な表面加工をした「カラー(襟)付きHAステム」は、一般的に使用されている、断面がくさび(ウェッジ)形状で細長い「テーパーウェッジ型ステム」よりも、早期POPFFの発生率を有意に低減する効果があることがわかりました。
この結果により、骨が弱い人など骨折のリスクが高い患者に対しては、カラー付きHAステムを選択することで、安全なTHA手術の実現にもつながることが期待されます。
本研究成果は、2025年10月1日に英国学術誌The Bone & Joint Journalで公開されました。