令和6年12月14日から15日の2日間にわたって、千葉大学Clinical Anatomy Lab(CAL)に於いて開催された第24回頭頸部手術手技セミナー中耳側頭骨編に参加させていただきました。このプログラムは、千葉大学耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学の医師を対象に中耳側頭骨の臨床解剖の理解を深めるだけでではなく、千葉大学脳神経外科学医師も参加し、互いの境界領域である頭蓋底の解剖や手術手技に関しても学ぶことを目的とした内容でした。
中耳を含める側頭骨は人体の中でも狭い空間に重要臓器が多く存在し、3次元的な理解が非常に難しい部位です。耳科領域の手術の多くは顕微鏡や内視鏡を用いて繊細な操作が必要で、脳や内耳などの重要臓器と近接しており正常解剖の十分な理解が求められます。今回のプログラムでは、実際の手術に沿った手技で中耳・側頭骨領域の正常構造を観察しながら、手術では操作ができない領域に達することで、臨床において近接しないよう留意しなければならないポイントを学ぶことができました。また、耳鼻咽喉科医と脳神経外科医が疑問点を共有しながら指導し合うことで、より深い理解を得ることができました。
参加者一同、ご提供いただいたご遺体の先生方に感謝申し上げます。このご厚意には目の前の患者により良い医療を提供してお返しすべく、今後の診療にむけ日々研鑽に努める思いです。この度はこのような貴重な機会を頂き誠にありがとうございました。