2026年1月11日、第16回ASSET-Chibaコースが開催されました。
米国外科学会により設立されたASSETコースを開催し、救命のための緊急処置を迅速かつ的確に行うことができる外傷外科医を育成することで、重症外傷患者の救命につなげることが本教育コースの目的です。今回は、高度な技術を要する手術手技の習得を主眼としました。
参加者はCAL倫理講習を受講し、献体の理念、適切な取り扱い方について十分に学んだ後に実習を行いました。参加者である医師は、緊急救命処置・血管露出手技を行うことでその方法や解剖学的構造を学習し、見学者である看護師は、医師により露出された血管を確認することで解剖学的構造を学ぶとともに、臨床現場で必要となる器械出しの手技についても学習しました。なお、それぞれの手技の合間では、実臨床に近い想定で学習するために、指導者による、各露出対象血管を損傷したと仮定したcase presentation方式の講義を行いました。また、処置・手技の最中も質問やディスカッションを重ねることで、疑問点や不明な点を解決しながら教育を進めました。
具体的な処置・手技としては、上肢・下肢における主要血管の露出術やコンパートメント症候群に対する筋膜切開術、頚部における血管露出術ならびに気管・食道の露出術、胸部における開胸手技と心・肺・大血管等の露出および損傷修復術、そして腹部における開腹手技を用いた腹部臓器の脱転と大動脈・大静脈をはじめとする腹腔内・後腹膜臓器の露出など、外傷外科における多岐にわたる緊急処置・手技を実施しました。
このような高度な実習の機会を与えてくださった献体者の方々に、心より御礼申し上げます。参加者一同、習得した知識と技術を今後の救命医療に活かしてまいります。