DEPARTMENT OF IMMUNOLOGY

Reduced peribronchiolar and perivascular infiltrates in dnRas Tg mice
この図は、メタコリンによる気道収縮を起こしたときに、気道が非常に強く反応する現象:気道過敏症(airway hyperresponsiveness:AHR)をdnRas Tgマウスで解析したものである。装置はwhole body plethysmography (WBP)を用いた。マウスはOVAを免疫していないもの(no OVA imm.)と免疫したもの(OVA imm.)を用いた。左側の折れ線グラフでわかるように、メタコリンを吸入させたとき低レベルの気道抵抗値(% above baselinex100で示してある)の上昇しか見られない。OVAを免疫していないものではOVA特異的Th2細胞が誘導されていないからである。 OVAを免疫したマウス(OVAimm.)では、右の折れ線グラフからわかるように、正常マウス(LM)ではメタコリン30mg/ml,と50mg/ml で非常に気道抵抗値が上昇している。しかし、dnRasTgマウスでは気道抵抗値は低いままであった。この実験から、T細胞のRas/ERKMAPK系の活性化に障害があるとOVA誘導性の気道過敏症が起こり難くなることがわかった。
この一連の実験で、T細胞のRas/ERKMAPK系の活性化がOVA誘導性の気道炎症をコントロールしていることがわかった。
この経路の阻害薬で喘息の治療ができる可能性が示唆された。Shibata et al. J. Immunol. 169:2134, 2003.
この実験は、一人の大学院生が中心になって、何人かの協力のもとに行ったものである。