千葉大学大学院医学研究院
呼吸器病態外科学
千葉大学病院
呼吸器外科
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肺癌は肺に発生する悪性腫瘍の中で最も頻度の多いものです。2000年国民衛生の動向では,肺癌は男性では胃癌をぬき,部位別悪性新生物死亡率の第1位,女性では第3位となり,未だ増加傾向を示しています。
肺は悪性腫瘍の転移の標的臓器のひとつであり、各臓器癌から血流(血行性転移)、リンパ流(リンパ行性転移)を介して肺に転移してきたものを転移性肺腫瘍(転移性肺癌)と呼びます。
縦隔という言葉はあまり聴きなれない言葉だと思いますが、胸部(頚部と横隔膜の間)で左右の肺にはさまれ、脊椎骨と胸骨の間をいいます。縦隔には心臓および心臓に血液が出入りする大動脈・大静脈、また気管・食道などの大切な臓器があります。さらに迷走神経・横隔膜神経・交感神経などの大切な神経も縦隔を走行しています。
自然気胸という病気は簡単にいうと肺のパンクです。肺は風船のようなものです。眼で見るとちょうどスポンジのような形をしています。そして肺の表面を胸膜或いは肋膜という薄い膜が覆っています。気胸というのはこの胸膜に何らかの理由で穴が開いてしまい、そこから吸った空気が胸の中に漏れてしまう病気です。パンクをしたので肺は縮んでしまいます。胸膜に穴が開く原因としては胸膜が一部弱くなってできた袋(嚢胞といいます)が挙げられます。
肺の良性腫瘍は、発生頻度は低いですが、その種類は豊富です。
大部分を過誤腫(約50%を占めます)が占め、そのほかに硬化性血管腫、軟骨腫、脂肪腫、平滑筋腫などがあります。
肺の良性腫瘍は、その発生部位から、気道(気管支)の内腔に発育するもの(中枢発生)と、肺の中に発育するもの(末梢発生)に大きく分類されます。
奇形腫は成熟奇形腫、未熟奇形腫、悪性奇形腫に分類されます。上縦隔と前縦隔に好発し、全体の80~90%は良性の奇形腫です。
肺が収められている体腔のことを胸腔といいます。この胸腔内に膿性液の貯留した状態が膿胸です。罹患期間が3ヶ月以内の場合を急性膿胸、3ヶ月以上の場合を慢性膿胸といいます。
交感神経、肋間神経などの神経から発生する腫瘍です。
交感神経幹由来のものが多く、胸の後方(後縦隔といいます。)に発生するものが多いです。