教室について
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教室沿革

昭和28年(1953年)11月1日、千葉大学で初めて公衆衛生学教室が開講された。当初の講義は、厚生省からの非常勤講師によってなされていたが、まもなく群馬大学医学部公衆衛生学の教授であった柳澤 利喜雄博士が初代の教授として迎えられた。

昭和30年代以降、飛躍的な技術、産業の発達、エネルギー革命が起こり、日本は経済的発展を成し遂げていったが、一方でこれらは、環境破壊による公害をもたらした。千葉県においても特に大気汚染への住民の健康への影響に対しての関心は高まり、二代目教授吉田 亮博士、三代目教授安達 元明博士の時代には、地域住民を対象とした疫学調査と窒素酸化物の気道への影響に関する研究が中心に行われてきた。

20世紀後半の医科遺伝学の革命的進歩に伴い、遺伝的背景を考慮した医療、疾患予防が実現可能な段階となり、加えてインターネットをはじめとする情報技術の発達も著しく、21世紀はこれらの進展を反映した新しい予防医学の発達が期待された。四代目教授羽田明 博士の時代には臨床遺伝学や生活習慣病等の疾患感受性遺伝子の研究、ナショナルデータベースを利用した疫学研究が行われた。

令和2年3月、五代目教授として尾内 善広博士が准教授から昇任し、山﨑 慶子講師、真下 陽一技術専門員を合わせた三名体制で川崎病、炎症性腸疾患の発症や治療反応性に関わる遺伝要因の解明、また新型コロナワクチン接種後の抗体価や副反応の遺伝要因の解明に取り組んでいる。

令和6年4月、認定遺伝カウンセラー制度による遺伝カウンセラー養成課程の指導責任者を泌尿器科市川智彦教授から尾内善広教授が引き継いだ。