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神経放射線

 神経疾患の脳・脊髄・神経MRI診断に関する研究を行っています。臨床MRI診断にすぐに役立つ知見を見いだすことを目標としています。週に1回開催する画像カンファレンス(放射線科の画像診断医も参加)で症例の画像を見ながらディスカッションを行い、抄読会で最新の知見の共有に努めています。

 研究に使用するMRIモダリティは多岐にわたっていますが、原則として実臨床で利用するシークエンスやパラメータを使用しています。時にポストプロセッシング解析を行いますが、原則として、臨床医が診察室でみるものと同じ画像を使用しています。

 多発性硬化症との鑑別が重要な視神経脊髄炎については、神経免疫疾患グループと共同で、脳病変の特異的な造影増強効果である「cloud-like enhancement」や、特徴的な脊髄MRI所見である「bright spotty lesions」を公表しています。多系統萎縮症については、「被殻萎縮の評価法」、「被殻のT1高信号」、「被殻のT2*低信号」、「橋底部の十字徴候―拡散テンソル解析」について公表しています。Machado-Joseph病については、「顔面神経丘の平坦化」、「淡蒼球内節に沿ったT2高信号」について公表しています。

 最近は末梢神経MRIによる末梢神経疾患の検討を始めています(MR neurography)。当科臨床神経生理学グループ、当院放射線科・放射線部、放射線医学総合研究所などとの共同研究であり、ポストプロセッシング解析法の開発から、MRIによる病態研究、臨床MRI診断まで、幅広く検討を進めていく予定です。