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法医試料に適した検査試料保管方法の検討

司法解剖に伴う薬物検査は、事件性が高い症例の場合は、一度分析を行ってから数ヶ月後に再分析を行うこともあり、保管の間の試料変質を最小限に抑えることは大きな課題の一つです。また、法医分野の試料は、鑑定だけではなく研究においても大変貴重なものであり、長期保管が望ましいことは言うまでもありません。しかし近年解剖の増加に伴い保管試料が急激に増加しているため、省スペース化がはかれる試料保管方法が望まれています。

千葉大学では臨床の薬物動態の分野で研究が進められているDBS(Dried Blood Spot)技術を法医試料に応用する試みを行っています。

DBS技術は、使用する検体量が少量であること、試料を乾燥させるので乾燥後は劣化も抑えられ、またカード型のため保管スペースも最小限であることなど、この技術を法医分野へ応用可能であることが立証できれば、非常に有用な技術です。2013年から検討を進め、通常のスクリーニング検査に応用できることまでは立証しましたが、前処理作業が煩雑であることなど、実際の利用には改良が望まれます。またDBS技術により試料変質が抑制できるか検討を進め、法医試料への応用を目指します。

担当者:久保祐子