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千葉大学附属 法医学教育研究センター
センター長
岩瀬博太郎

2014年4月、千葉大学法医学教育研究センターが開設されました。これは、従来の法医学教室を軸に、互いに連携する6つの部門を置き、法医学的諸検査を実施しながら、教育・研究の充実を図るための拠点です。法医学とは、亡くなった人から様々なことを学び、生きている人に生かすための学問であり、人々の権利を守り、社会の安全と福祉の向上に寄与することを目的にしています。そのために、当センターは、最新の設備によって国際水準を超える技術を駆使し、それぞれの教育・研究・実務に当たっています。

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当センターは法医学領域において高度に専門化した実務を行う医師、歯科医師、薬剤師、検査技師等を養成することを目的とし平成26年度に設置されました。

法医学は解剖を実施して死因を決めるだけの学問ではありません。死因を究明するためには、解剖の他に、薬物検査、画像検査、血液及び尿の生化学的検査といった様々な検査が必要です。また白骨化したご遺体が見つかった場合、自殺なのか他殺なのか事故死なのかといった判断をするためには、身元を確定した上で、その方がどのような環境に置かれていた方なのかを考察しなければなりませんが、そうした身元確定のためには、DNA検査や歯科所見の採取といった検査が必要になります。

これら、死体由来の試料を用いる諸検査は、腐敗による変化や死後の薬物の再分布といった死体特有の現象があり、また時として汚染された可能性のあるわずかな試料を検査対象とすることがあるため、警察で実施している鑑識業務や一般病院で実施している生体試料を用いた各種検査とは異なる独特な経験や熟練を要しますし、異なる精度管理が必要とされます。諸外国を見ますと、こうした難しい検査を行う専門家を法医学研究所と呼ばれる機関で養成し、鑑定業務に当たらせておりますが、日本においてはそのような機関はこれまで存在しませんでした。そのため、高度な専門性を有する者が実施すべきにも関わらず、いわば素人が精度の低い鑑定を行ってきたのが実情です。

また、多くの国では法医学は死体解剖のみを実施するのではなく、虐待を受けた子供やDVの被害者等を診察し、最悪な状態となる前に保護する仕事も担っておりますが、日本においては一部の大学を除きそのような体制は整っておりません、

本センターは、そうした悪しき状況から脱却すべく、法医学を法病理学、法医画像診断学、法中毒学、法歯科学、法遺伝学、臨床法医学といった6つの専門領域に分け、それぞれにおいて実務者、教育者、研究者としてのキャリアパスを形成することで、専門家を継続的に養成し日本の法医学領域のレベルアップをはかるべく設置されました。

今後、日本においてより安全安心な社会が実現されるよう、私ども職員一同粉骨砕身がんばってまいりますので、皆様からも叱咤・激励をいただきますよう、よろしくお願いいたします。