研究室について

免疫発生学について

令和2年9月11日撮影、医学部前

私たちは、千葉大学大学院医学研究院 免疫アレルギ-学講座 免疫発生学、Department of Immunology, Graduate School of Medicine, Chiba Universityという名前の研究室で、次の3つのグル-プが研究を進めています。1)免疫記憶の基礎研究:特にエピジェネティクな分子機構の解析と記憶細胞の形成と維持機構の解明、2)アレルギ-性及び慢性の気道炎症の研究、3)癌の免疫細胞治療の開発研究、です。 グル-プ1)では、獲得免疫系研究の残された最大のテ-マである、「免疫記憶」の分子制御機構を最先端のテクノロジ-(ChIP-Seq法など)を用いて解明しようとしています。また、ごくわずかの記憶細胞が体内のどこで維持されているのか?in vivoイメ-ジングシステムを樹立して解析を始めました。

これまで10年来研究室が取り組んで来た病態モデルとしてはアレルギ-性気道炎症(喘息)がありますが、慢性炎症の制御メカニズムを探る研究に進展しています。免疫細胞のエピジェネティクス解析や気道炎症疾患モデルの解析技術は、本邦でもトップレベルにあると思います。

またグル-プ2)と3)は、臨床の研究室(呼吸器外科、耳鼻科)と共同で新規の治療法の開発を目指した患者でのトランスレ-ショナルリサ-チを積極的に進めています。新しい治験や先進医療などの出口に到達しています。

研究室では、准教授、講師、助教の8名がそれぞれのグル-プをまとめながら、大学院生と一緒に日夜実験や議論に明け暮れていますが、オ-ストラリア、インドネシア、バングラデシュからのメンバ-もいて、日常何の不自由もなく英語が使える研究室になっています。

中山がプログラムコ-ディネ-タ-を務める博士課程教育リ-ディングプログラム「免疫システム調節治療学推進リ-ダ-養成プログラム」では、グロ-バル化にも対応できる世界に羽ばたくリ-ダ-を育成中です。海外でPIとなった同窓生もいます。研究者として活躍中の先輩たちも10名近くになり、我々のファミリ-が増えています。

毎週1回ずつ Research ProgressのLab Meeting、Journal Club、Joint Workshop(BSJM 学生がアレンジして千葉大内の関連の研究室が合同で発表会をする)があります。研究室の大学院生や若手の研究者は、学歴等にとらわれない自由な価値観と最先端の免疫研究を進める緊張感のなかで「免疫研究のプロ」になる階段の第1歩を確かに踏み出しています。新たなファミリ-メンバ-の参加を歓迎します。