千葉大学大学院医学研究院神経科学部門 神経生物学
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研究紹介



 
中枢神経の再生
 

交通事故などによる脳挫傷や脊髄損傷により、脳や脊髄が瞬時に損傷されることがある。またわが国の死亡率の上位にくる脳出血、脳梗塞などの脳血管障 害も通常予告なく突然やってくる。これらの疾患が他の疾患にもまして恐れられるのは、瞬時にして四肢が思うままに動かせなくなり、また損傷の場所が悪けれ ば、記憶や意思といったものまで奪い去るからである。
脳と脊髄は中枢神経と呼ばれ、末梢神経と対比される。中枢神経はいったん損傷されるとめったに再生しない。皮膚に傷を負えば新しい皮膚が作られて修復される。肝臓もそうである。しかしいったん破壊された中枢神経は、もはや元には戻らず、機能は永遠に失われたままである。
足 を動かせという指令は、大脳の最も外側の皮質という部分にある神経細胞によりなされる。この信号は神経細胞の軸索という長い突起を伝わって、脊髄の出口近 くに待ち受けている次の神経細胞に伝えられる。このシグナルが正確に伝えられるために、つまり足を動かすはずが手を動かすといったことにならないように、 発生の段階で神経回路の形成は極めて精密に行われるのである。一旦動かなくなった足を動かすためには、失われた神経回路を取り戻すことが必要である。現在 最先端の神経科学は、この神経回路形成の分子メカニズムを解明しつつあり、それほど遠くない将来に治療へと応用される日が来ると期待されている。





 
老化(Aging) の分子生物学的機構の解明
 

現在、日本人の平均寿命は、世界でもトップクラス(男性平均寿命78.64年、女性85.59年 (平成16年簡易生命表))である。今後は、死因のトップを占める悪性腫瘍、心・脳血管障害などを予防して、如何に健康的な高齢化社会を築くかが重要な課題となっており、そのためにも老化の分子生物学的メカニズムの解明が必要であろう。
1930年代のMcKayらのげっ歯類を使った研究以来、カロリー制限(Caloric Restriction)が少なくとも実験室レベルでは寿命を延ばす事が報告されている。また、1990年代の線虫(C.elegans)などを使った研究によりストレス耐性と寿命の関連が報告されているが、それらの分子生物学的メカニズムは依然として不明である。
近年の分子生物学的な手法を駆使した研究により、IGF(insulin-like growth factor)、Sir2などの経路が、老化機構に関連することが示唆され、老化研究の分野は急速に活気を帯びつつある。我々は、線虫(C.elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)などの確立された遺伝学的実験系を用いて、老化の分子生物学的機構の解明を行いたい。
 
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