先端データ医科学
教授
伊藤 薫
このたび、2025年4月1日付で千葉大学医学研究院・先端データ医科学の教授を拝命いたしました。私は、千葉大学大学院医学研究院で博士号を取得後、ハーバード大学医学部、理化学研究所で研鑽を積み、分子生物学的なアプローチとデータサイエンス的手法を通じて、疾患の隠された基盤解明研究と臨床応用可能性の探求に取り組んでまいりました。
本研究室は千葉大学医学部第一生化学の流れを組み、初代柏戸留吉教授ののち、末吉雄治教授、赤松茂教授、三浦義彰教授、藤村眞示教授、そして先代 瀧口 正樹教授の遺伝子生化学教室から、新しくデータ医科学を推進する研究室として誕生しました。
私たちの研究室では、データサイエンス的手法を基盤として、ゲノム解析・多層オミックス解析・分子生物学的手法を統合し、遺伝性疾患や生活習慣病といった重篤な疾患の成因解明と新たな治療標的の探索を進めています。特に、疾患感受性遺伝子の同定、分子リスクスコアによるリスク予測や疾患の精緻な層別化、臨床データからAIを用いた新しい概念の提唱など、基礎研究と臨床応用をつなぐ研究を展開しています。
生命科学の進歩が個別化医療を現実のものとする今、私たちは「データサイエンスによる」「ヒトゲノム・オミックスから疾患の理解と克服へ」という理念のもと、国際的な共同研究や異分野融合を推進し、科学的発見を社会的価値へとつなげていきたいと考えています。
今回の千葉大学での新たな挑戦を、これまで支えてくださった多くの方々への感謝とともに、次世代の研究者育成と学問の発展に還元していく所存です。今後ともご指導とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。