研究内容
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研究内容

私たちの研究室では、「データサイエンスによる」「ヒトゲノム・オミックスから疾患の理解と克服へ」をテーマに、遺伝性疾患や生活習慣病の発症機構の解明と、ゲノム・オミックス情報に基づく予防・診断・治療の革新を目指しています。

これまでに、疾患感受性遺伝子の同定、多層オミックス解析による分子機序の解明、ポリジェニックスコアを用いたリスク予測モデルの構築ならびに臨床的応用性の検討など、分子から個体・集団レベルにわたる多階層的な研究を推進してきました。

当研究室では、マイクロアレイや高速シークエンサーによる大規模ゲノム解析、トランスクリプトーム・プロテオームを中心とした多層オミックス解析、さらに機能解析・病態モデルを組み合わせ、疾患の分子基盤に迫る研究を展開しています。

私たちは、以下の6つの柱を中心に研究を進めています。

  1. 疾患のゲノム基盤解析:大規模ゲノムデータを用いた感受性遺伝子および調節領域の同定
  2. 多民族コホート解析:集団間の遺伝的多様性を踏まえたリスク評価と遺伝的構造の比較
  3. ポリジェニックスコア開発:疾患発症リスクの個別化予測モデルの構築
  4. マルチオミックスによる病態解明:ゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム解析の統合による分子機構の同定
  5. ゲノム・オミックス医療の社会実装:研究成果を臨床応用や予防医療へとつなぐトランスレーショナルリサーチ
  6. AIを用いた新しい疾患関連概念の創出:機械学習・AIを用いた疾患層別化に役立つ新しい指標の創出と臨床応用

近年、ゲノム・オミックス解析やAI技術の進歩により、疾患リスクの個別予測や精密医療の実現が現実のものとなりつつあります。しかし、その臨床応用には、遺伝的多様性・環境因子・社会的背景を含めた包括的理解が不可欠です。当研究室では、こうした課題に真正面から取り組み、学内外の研究者・医療機関・国際共同研究ネットワークと連携しながら、新たな疾患ゲノム医科学の発展を目指しています。

私たちは、基礎から臨床へ、そして社会へとつながる研究を推進し、疾患の克服に貢献することを目標としています。

千葉大学大学院医学研究院 先端データ医科学・cNIVR・生体シミュレーションモデル研究開発部門
教授 伊藤 薫(Kaoru Ito, M.D., Ph.D.)

旧遺伝子生化学の研究内容はこちらになります。