Greeting
ご挨拶

ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業
「地域医療への高い情熱と好奇心を涵養して総合力・適応力・教育力を醸成する
地域志向型医療人材養成プログラム」
千葉大学・東邦大学

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、日本の医療提供体制にも多くの課題が存在することが明らかとなりました。特に地域においては、医師の地域偏在や診療科偏在を解消するばかりでなく、様々なニーズに対応して最適な医療を提供することが求められております。また、千葉県の医師偏在指標は全国47都道府県中38位と全国平均を下回る状況であり、相対的な医師不足が続いております。千葉大学および東邦大学には地域枠の医学生が毎年入学してきており、彼らを含めた医学生の地域医療に対する情熱を醸成し、優れた地域志向型医療リーダーを育成することが重要なミッションの一つであります。

 この度、文部科学省の令和4年度大学教育再生戦略推進費「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」に、千葉大学および東邦大学が共同で「地域医療への高い情熱と好奇心を涵養して総合力・適応力・教育力を醸成する地域志向型医療人材養成プログラム」の申請を行い、採択となりました。このプログラムにおいては、医学生が6年一貫の地域医療学修によって地域医療に対する高い情熱を涵養すると共に、地域病院に配置された教育専任のアテンディングと呼ばれるメンターの医師の指導を受け、地域医療の現場において不可欠な多職種連携について他職種を目指す学生と共に学びます。このことにより、地域医療の現場で総合的に患者を診ることが出来る「総合力」、医療・社会状況の変化に応じて医師としての能力を最適化して発揮できる「適応力」、そして地域の課題を踏まえた教育研究を実践し、後進の医療人材養成に貢献できる「教育力」を獲得することを目標としております。

 千葉大学と東邦大学が緊密に連携し、本事業を実施することになりますが、幸いにも両大学には総合診療、救急診療、感染症のエキスパートの教員が多く在籍しており、高いレベルでの教育が出来ると思われます。また、シミュレーション教育やICT技術を駆使した様々な教育も実施可能であり、本事業で開発したオンデマンド教材も、千葉県に附属病院を開設する他大学の医学生にも将来的に利用可能とする予定です。本事業の成功に向けて教職員一同努力致す所存でありますので、千葉県をはじめ関係する皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

事業責任者 中谷 晴昭