教室紹介

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教授ご挨拶

千葉大学大学院医学研究院循環器内科学 教授
千葉大学医学部附属病院循環器内科 科長
小林 欣夫

"地域医療から最先端研究まで"を体現しており、さまざまな人材が活躍できる教室です。

平成23年2月1日付けで、小室一成前教授の後任として千葉大学大学院医学研究院循環器内科学(旧内科学第三)講座教授に就任しました。私は昭和63年に千葉大学医学部を卒業し、千葉大学での研修の後は自治医科大学附属大宮医療センター(現さいたま医療センター)、国立循環器病センター内科心臓血管部門に勤務し、その後は冠動脈ステントの権威であるコロンボ教授が在籍するイタリアミラノにあるCentro Cuore ColumbusならびにニューヨークマンハッタンにあるLenox Hill Heart and Vascular Institute / Cardiovascular Research Foundationで臨床研究を行い、このニューヨークの施設の血管内超音波ラボの部長として、世界各国よりの留学生の指導もしながら研究を行ってきました。

当科のモットーは、"地域医療から最先端研究まで"であります。そして、これを達成するために重要なことは、それぞれ異なる得意分野を持つ医局員が存在することです。医学部の役割は、臨床・教育・研究と言われますが、この3つすべてを医局員全員が同じように行っていくのでは、すべてに十分な時間を割くことは不可能であり、小さくまとまってしまいます。先程の大きな目標を達成するためには、医局員がそれぞれの得意分野を担当する分業が必要です。すなわち、臨床担当は大学病院としての役割である高度・最先端医療を行い、研究担当が最先端の研究を行い、世界に向かって発信し、教育担当が学生・研修医の教育を充実させます。このような体制ならば"地域医療から最先端研究まで"は夢ではありません。

実際のところ、当科では24時間体制で緊急症例の受け入れを行っており、平成21年度の経皮的冠動脈形成術施行症例数は353件と国立大学病院ではトップクラスであり、不整脈に対するカテーテルアブレーションも年間200件と国立大学病院ではトップ10以内であります。その一方で基礎研究グループはインパクトファクターの高い医学雑誌に多くの論文を発表しています。また、高度先進医療やトランスレーショナルリサーチも行われています。このように千葉大学大学院医学研究院循環器内科学は"地域医療から最先端研究まで"を体現しており、臨床志向、研究志向などさまざまな人材が活躍できる教室であります。

医学生ならびに研修医の先生方へ

循環器内科領域においては、心臓カテーテル検査・治療、不整脈検査・治療、画像診断などいろいろな専門分野があります。一般の病院においてはすべての分野で専門家を揃えることはできないのが実情であります。一方、医学部附属病院の当科においてはすべての分野の専門家がいます。当科においては、この特徴を生かした研修ができるように体制を整えています。

初期研修について

平成23年4月、当科における初期研修プログラムの大改革を行いました。当科においては、半日病棟、半日検査研修を原則としました。心エコー、画像診断(CT、MRI、RI、PET)、不整脈・運動負荷、心カテの4つの検査を1週間単位で研修します。例えば、心エコーの週では、午前中は毎日心エコー研修で、午後は病棟勤務となります。4週後は希望する検査研修を選択します。

後期研修について

医局に入局後は、2年間関連病院(県立循環器病センター、千葉県立救急医療センター、千葉市立青葉病院、君津中央病院など)で循環器医療を学びます。その後は大学病院勤務となりますが、当科においては"地域医療から最先端研究まで"を達成するために、臨床担当は高度・最先端の臨床を行い、研究担当が最先端の研究を行っています。すなわち、異なる得意分野を持つ循環器内科医が働いています。このために当科においては、"臨床を主にやりたい"、"研究をしたい"など、個人の希望に沿ったキャリアを提供できます。また、大学の医局に所属することは、多くの関連病院の中から、それぞれの病院の勤務内容を良く知ったうえで病院を選択できるなど、将来の就職の選択の幅を確保できます。