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留学体験記

 

現在Weil Cornel Medicineに留学中の一色先生からお便りをいただきました!

 

 2019年9月から米国コーネル大学医学部(Weill Cornell Medicine)に留学中の一色佑介です。コーネル大学医学部が位置するニューヨーク市マンハッタンでは、留学直後からCOVID-19やその後のBlack Lives Matterに関するデモなどで色々と大変だったのですが、このページをみてくださる方の多くが、留学に興味を持つ若手医師もしくは学生の皆さんと想定して、なるべくニューヨークでの留学生活の魅力が伝わるようにご紹介できればと思います。

 まず私が留学しているコーネル大学について少しご紹介します。日本ではあまり有名でないかもしれませんが、コーネル大学はハーバード大学やコロンビア大学と同じくアイビーリーグに属する、アメリカでは広く知られた私立大学です。メインキャンパスはニューヨーク州イサカというカナダ国境近くの自然豊かな場所にあり、日本人が想像するニューヨークとは程遠いのですが、医学部だけはマンハッタンのアッパーイーストサイドという大都会に位置しています。アッパーイーストサイドには他にもMemorial Sloan Kettering Cancer Centerやロックフェラー大学が位置しているのですが、これら3つの研究機関は相互に提携していて、共同研究が非常に盛んであるほか、例えばコーネルの職員である自分がSloan Ketteringのコアラボに実験を依頼できたりもします。また附属病院であるNew York Presbyterian Hospitalは、同じくマンハッタンに位置するコロンビア大学医学部との共同経営になっていて、大学や研究施設の垣根を超えて質の高い研究や臨床を行う環境が整っています。日本で言えば、国立がんセンターと聖路加病院と東大が提携しているような感じなので、来たばかりの頃はスケールの大きさに驚きました。

 さて、次に簡単に現在のラボについてご紹介したいと思います。現在私は血液腫瘍内科の中にある、Dr. Ari Melnickの研究室でポスドクとして働いています。下記に添付した写真をご覧いただくとわかるように、ポスドクおよび大学院生だけで20人以上が在籍する大きな研究室で、世界各国(写真に写っているだけでも13ヶ国)から来た優秀な研究者に囲まれて、日々研鑽を積んでいます。主な研究テーマはB細胞性リンパ腫(+急性骨髄性白血病)におけるエピジェネティック異常と腫瘍化メカニズムの解明、およびそれらに対するエピジェネティック治療の確立で、ヒトB細胞性リンパ腫におけるエピジェネティック制御遺伝子異常を模倣したリンパ腫モデルマウスを用いた実験を得意としています。私はこのリンパ腫モデルマウスを用いて、エピジェネティック治療薬と免疫療法を組み合わせた、B細胞性リンパ腫に対する新たな治療法の確立を目指した研究を主に行っているほか、このマウスモデルで得られたデータをもとにしたphase 1 studyの立案にも携わることができていて、とても充実した毎日を送っています。研究がまとまったら、いつか別の機会にご紹介できたらと思います。

 最後に最も重要な(?)ニューヨークでの生活に関して、残り半分くらいのページ数を使って存分にご紹介していきます。まず住宅事情に関してですが、コーネルのポスドクは、ルーズベルトアイランドというイーストリバーに浮かんでいる島にある綺麗なマンションに、(ニューヨークにしては)割安で住むことができます。ルーズベルトアイランドはアッパーイーストサイドまで地下鉄で1駅、セントラルパークまで2駅という最高の立地なのですが、マンハッタンと地続きではないために、マンハッタンよりも明らかに治安が良く、静かで緑豊かなとても良いところです。家族で住む場所としてもぴったりではないでしょうか。次に食事情ですが、まず重要な点は日本食の調達にはほぼ困らないところです。マンハッタンにはいたるところに日本食スーパーがあり、割高ではあるもののあらゆる日本の食材を手に入れることができます。また日本の外食チェーンや日本人経営のレストランも多数あり、焼肉・ラーメンから定食屋、居酒屋まで何でもあります。またニューヨークは世界で一番レストランが多い都市と言われていて、世界各国の料理を堪能することができるところも魅力です。最後に週末の楽しみ方についても少しご紹介したいと思います。現在COVID-19のため入場規制もしくは閉鎖中なのが残念ですが、ブロードウェイ、スポーツ観戦、美術館鑑賞などあらゆる娯楽が楽しめます。これらは大学や家から地下鉄ですぐに行くことができて、例えば仕事帰りにブロードウェイに行ってから帰宅する、といった生活もできます。またこれらのいわゆる大都会ニューヨークの娯楽だけでなく、自然豊かな観光スポットへのアクセスが極めて良い点もご紹介しておきます。ニューヨーク州は南北に長い州で、マンハッタンは最南端に位置しているのですが、電車で1時間ほど北上したアップステートと呼ばれる地域には、日本でいうと軽井沢のような緑豊かなエリアが広がっていて、暖かい時期にはハイキング、秋には紅葉狩りや果物狩り、冬にはスキーなどを楽しむこともできます。

 最後は観光ガイドのようになってしまいましたが、留学生活の魅力は伝わったでしょうか。研究のスケールの違いもそうですが、海外に住むという経験自体も視野を広げるためにとても良いことだと思います。1人でも多くの方やそのご家族が留学に興味を持っていただけるような内容であったならば幸いです。

2020年11月  一色 佑介(2011年卒) 

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写真 : 下段左から3番目が一色先生