胃疾患

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胃十二指腸粘膜下腫瘍

胃十二指腸粘膜下腫瘍(GISTを含む)とは

胃十二指腸粘膜下腫瘍は比較的まれな疾患ですが、最近の胃カメラでの検診の普及により発見される機会が増えているようです。

粘膜下腫瘍の中にはGIST(=Gastrointestinal Stromal Tumor)という、癌と同じように他の臓器に転移をするような悪性の性質を持っているものもあるので、粘膜下腫瘍が見つかった場合は精密検査をし、治療しなければならないか精密検査を行う必要があります。しかし、この腫瘍は粘膜の下で発生し発育するため、診断が難しい場合があります。当科では消化器内科と連携し、最新の検査を行い診断しています。

治療は切除が可能であれば、手術を検討します。小さい腫瘍であれば創の小さな腹腔鏡下手術で行える可能性があります。腫瘍の出来た場所や大きさにもよりますが、癌のようにリンパ節転移を起こす頻度は低いと言われているので、腫瘍を含めた胃、もしくは十二指腸の部分切除で治療出来る場合が多く、術後の胃や十二指腸の機能をなるべく温存することを心がけています。 切除する際には胃カメラを使って腫瘍を確認しながら、なるべく胃や十二指腸の切除範囲を小さくするよう手術方法(LECS=Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)も行なっています。

また十二指腸腫瘍の場合、十二指腸だけでなく膵臓の一部も一緒に切除する膵頭十二指腸切除術という比較的大きな手術が選択されることもありますが、当科では可能であれば膵臓は温存して、腫瘍を含めた十二指腸のみを切除する膵温存十二指腸切除術も行なっています。