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鑑定嘱託と文書送付嘱託・文書提出命令について

千葉大学大学院医学研究院附属
法医学教育研究センター

 当法医学教育研究センター(以下「当センター」といいます。)では、捜査機関から依頼を受けて、刑事訴訟法に基づき鑑定嘱託を受託しています。
 当センターで実施した鑑定嘱託において作成した鑑定書や資料(以下「資料等」といいます。)について、鑑定嘱託をした捜査機関ではなく、法医学教室を相手方として、民事訴訟法上の文書送付嘱託や文書提出命令の申立てがなされることがあります。
 鑑定嘱託に関する資料等が民事訴訟の事実認定のために必要となることはありますが、これらの資料等は、捜査機関が所持する資料等だけでなく、捜査機関から鑑定嘱託を受けた者が所持する資料等についても、同様に刑事事件関係書類に当たります(最高裁判所令和2年2月25日第三小法廷決定)。鑑定嘱託の際に作成された資料等を任意提出するか否かの判断は捜査の主体である捜査機関が行うのが相当であり、鑑定嘱託の際に作成された資料等の文書送付嘱託や文書提出命令の申立ては捜査機関を文書の所持者として行い、同手続において、捜査機関が任意に提出に応じるか検討し、裁判所が法律関係文書該当性と提出義務の存否について判断すべき問題と考えております。
 当センターとしては、資料について文書送付嘱託や文書提出命令の申立てがあった場合は、捜査機関を所持者とした手続によって解決すべき問題であるとの方針により対応していますので、当センターに対する申立てを検討されている場合は、必ず事前に裁判所及び捜査機関の意向を確認していただくようお願いいたします。