研究グループ

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自律神経疾患

 自律神経は臓器・器官の制御を行う生存に必須の神経です。自律神経を評価することは神経疾患診断、重症度評価、生命予後評価および治療に役立ちます。私たちは神経疾患の診療・治療の発展を目的に以下のような研究を行っています。

研究紹介

1. 精神性発汗測定を用いた新規検査法の開発

 精神性発汗は手のひら、足の裏に認められ、精神的ストレスや手で物に触れるなどの物理的刺激で誘発されます。手のひらの汗は滑り止めの役割があり、物をしっかり握ったり、本のページをめくる際に役立ちます。発汗を調節しているのは自律神経です。私たちは精神性発汗を測定することで自律神経機能を評価し、多くの神経疾患の診断、予後評価に役立てる研究を行っています。

2. 皮膚血流測定を用いた新規検査法の開発

 手のひらの皮膚血流は息こらえや暗算負荷などにより一過性に低下します。この反応は皮膚血管運動反射または交感神経性皮膚血流反応と呼ばれています。私たちはこの反応を利用した検査法の開発や皮膚を加温したときに皮膚血流が増加する反応など利用した自律神経検査法の開発を行っています。

3. パーキンソン病における発症前診断法の開発

 ドイツ、ゲーテ大学のBraak教授が提唱したパーキンソン病病変が自律神経系から始まるという仮説が注目されています。パーキンソン病で手のふるえや動作緩慢などの運動症状に先だって自律神経障害が出現しているとすれば、自律神経機能評価は発症前診断に役立つでしょう。我々はパーキンソン病の発症前診断に役立つ自律神経機能評価の開発を行っています。

4. 末梢神経障害の自律神経障害に関する研究

 糖尿病やギラン・バレー症候群などの末梢神経障害における自律神経機能を研究しています。

5. 自律神経障害の治療法の開発

 食事性低血圧、起立性低血圧、胃運動機能障害などの自律神経障害に対する新しい治療法について研究しています。

6. 失神に関する研究

 失神患者の背景にある自律神経活動の特徴や、診療における失神患者の解析などを行っています。

7. 発汗異常の病態・治療に関する研究

 発汗異常には汗をかきすぎる発汗過多と汗をかかない無汗症があります。私たちは発汗異常病態および治療法の研究を行っています。

8. リハビリテーションにおける自律神経機能検査

 リハビリテーションの評価ツールとして自律神経機能検査を応用できないか研究を進めています。